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FP1級の難易度・合格率は?受かりやすい勉強方法や実技対策を解説

 

ファイナンシャルプランナー資格のトップであるFP1級について、勉強時間や勉強方法、難易度を解説します。

勉強方法については私が実際にCFPを受験し、学科の免除を受けてFP1級に合格した体験談を詳しく解説しています。

費用や難易度についても触れていますので、これからFP1級に挑戦してみたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

著者
森本 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)・CFP認定者・ 貸金業取扱主任者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。

FP1級試験の概要(2021年11月現在)

FP1級の試験内容は学科と実技に分かれています。

学科は金融財政事情研究会(きんざい)のみの実施で、実技はきんざいと日本FP協会の両団体が実施しています。

学科と実技両方合格すれば1級FP技能士になれます。

【学科試験】

学科はきんざいのみの実施です。

▼受験資格
以下のいずれか1つに該当すれば受検することができます。

  1. 2級FP技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
  2. FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
  3. 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者

▼試験実施月
5月、9月、1月

▼受験料
8,900円

▼合格基準
200点満点中、120点以上

【実技試験】

実技はきんざいと日本FP協会の両団体が実施しています。

▼受験資格
次のいずれか1つに該当すれば受検することができます。

  1. 1級FP学科試験の合格者
  2. 「FP養成コース」修了者でFP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
  3. 日本FP協会のCFP認定者
  4. 日本FP協会のCFP資格審査試験の合格者

学科試験のみ合格者は実技試験の受験権利が2年後の年度末に失効します。

▼試験実施月
きんざい 6月、10月、2月
日本FP協会 9月

▼受験料
きんざい 25,000円
日本FP協会 20,000円

▼合格基準
きんざい 200点満点中120点以上(面接試験)
日本FP協会 100点満点中60点以上(記述式)

FP1級の難易度

FP1級はファイナンシャルプランナー関連で最もレベルの高い資格です。

勉強量も相当期間必要になりますが、決して手の届かない資格ではありません。
FP2級に合格した人なら誰でもチャンスがあると思います。

合格率や他資格との比較から難易度を解説します。

過去の合格率

FP1級のきんざいの合格率は以下のとおりです。

実施年月 学科 実技
2021年9月10月 13.03% 85.16%
2021年6月 85.27%
2021年5月 20.05%
2021年2月 9.95% 88.49%
2020年9月・10月 15.01% 86.34%
2020年1月 11.81%
2020年2月 84.92%

実技の合格率は80%を超えますが、学科合格率は10〜20%ととても低い数字です。

それほど学科は難易度が高く、勉強の中心になります。学科さえ合格すれば実技はほとんどの人が受かります。

他の資格と難易度比較

実際に私が勉強したことのある他資格とFP1級の難易度を比較しました。人によって感じる難易度は変わるので、参考程度にしてください。

【FP2級とFP1級】
FP2級とは比較にならないレベルでFP1級は難しく感じました。私はFP2級を1ヶ月で合格できましたが、FP1級に合格するまでトータル半年ほど勉強しました。難易度に差はありますが、勉強内容は同じなのでFP2級合格者は比較的勉強しやすいと思います。

【宅建とFP1級】
宅建とFP1級は一般的に同程度の難易度だと思います。宅建は法律系の暗記が中心で、計算はほぼありません。得意不得意に分かれる分野だと思いますが、税務出身の私には宅建のほうが大変だと感じました。

【簿記2級とFP1級】
簿記2級よりもFP1級の方が難しいです。簿記よりは計算が少なめですが、内容はFP1級の方が複雑です。FP1級の方が勉強する内容が多いため、時間が必要になると思います。

【CFPとFP1級】
CFPとFP1級はほとんど同じ難易度だと思います。

ただし、FP1級と違ってCFPは科目ごとの受験が可能です。難易度は同じでも、CFPの方が受かりやすいと思います。

※CFPとは
CFP資格は日本FP協会が認定している民間資格です。Certified Financial Plannerを略してCFPと呼ばれ、FPの中ではトップレベルの資格です。国際的にも認められていて世界25カ国・地域(2021年3月現在)で導入されています。CFPは合格後も資格更新のため単位取得する必要があるため、常に勉強し続けている証明にもなります。

CFPに合格すれば、FP1級の学科は免除になります。

試験は全6課目で構成され、年2回受験できます。1課目ごとの受験が可能です。CFPになるには日本FP協会の会員である必要があります。年会費が2万円と、セミナー受講など必須の単位取得に毎年数千〜数万円の維持費がかかります。

FP1級に必要な費用

FP1級の受験に必要な費用は独学でトータル5〜10万円かかります。

受験費用はFP協会(実技のみ)20,000円、きんざい(学科+実技)が33,900円です。CFPを経由してFP1級を受験する場合はさらに受験費用がかさみます。

さらに地方の場合は交通費と宿泊費もかかります。

教材費は独学でも2万円は必要になるので、一発合格でも最低で5万円を超えます。

合格後は、FP1級に維持費はかかりません。CFPを経由してFP1級に合格した場合は、維持費のかかるCFPを更新せずにFP1級のみ保有することも可能です。

FP1級の勉強時間

FP1級の勉強は半年〜1年かかると思います。

私の場合は元から税務や資産運用の知識があったので約半年と短く済みましたが、1から勉強する人は1年近くかかると思います。

FP資格は多くの人が働きながら取得しており、範囲が広いため短期習得が難しいです。1年間コツコツ地道に勉強できる人が合格できる試験です。

FP1級学科に合格しやすい方法

1から勉強するとかなり難易度の高いFP1級の学科ですが、合格しやすいコツがあるので紹介しておきます。

先にCFPを取得

FP1級に合格するには、まずCFPを取得して学科免除の恩恵を受ける方が合格しやすいと感じています。FP1級学科と違って、CFPは1課目ずつ受験できるからです。

私自身は2年かけてCFPを3回受験して、全6課目合格してからFP1級を取りました。実質の勉強期間はトータル半年ほどです。お金と時間はかかりますが、より確実に合格できるルートとしてCFPの先行取得はおすすめです。

CFPの難易度は1級の学科と変わりませんが、1〜2課目ずつの受験なら大幅に負担を減らせます。

通信講座の利用

FP資格は独学でも取得できますが、時間のない人は通信講座がおすすめです。Web講座なら大手でも教材込で10万円ほどで受講できます。

ちょっと高いですが、独学で立ち止まったり何度も再受験するよりずっと早いです。

特にFP1級は独学で参考書を読むだけでは理解できない部分が増えます。計画的に確実に勉強したい人、何から手をつけたら良いのか分からない人は通信講座がおすすめです。

YouTube動画の利用

お金をかけず独学で勉強したい人は、参考書と過去問だけでなくYouTube動画の利用もおすすめです。勉強していて理解できない箇所だけ利用すると効率的です。

特にFP関連の動画は充実していて、実技の対策にも使えます。

FP1級実技(日本FP協会)の対策

FP1級実技はきんざいが実施する面接式と、日本FP協会が実施する記述式があります。

どちらを受験するか選択できるのですが、この記事では私が実際に受験した日本FP協会の記述式の実技について、対策やテキストを紹介します。

おすすめのテキスト

FP1級実技のおすすめテキストは以下の1冊です。

1級FP技能検定 実技試験(資産設計提案業務)精選過去問題集
FPK研修センター株式会社 (著)
2,000円(税込)
https://fpk.shop-pro.jp/?pid=34229133

通称「緑本」と呼ばれる過去問題集です。私は論述を含めこの1冊しか勉強しませんでした。

Twitterで合格者の方に教えてもらったのですが、この1冊しか勉強しなかった人が多いように思います。コンパクトな冊子で問題数が少なく、1〜2週間あれば全問制覇できます。

勉強時間

実技の勉強期間は2週間あれば足りると思います。1週間で合格した人もいるようでした。1日3時間、2週間あれば合格レベルに達すると思います。

難易度

FP1級実技の難易度は、CFPやFP1級学科に比べると低いです。簡単ではないですが一定期間真面目に勉強すれば大体合格圏内です。当日も試験時間が余る人は多く、私も早めに退出しました。

勉強方法

実技は過去問をひたすら勉強すれば合格できます。参考書を買い足す必要はありません。学科やCFPの参考書でカバーできます。緑本を5回転ほどしてパーフェクトに覚えたら、高得点は難しくても確実に合格点は取れます。

私自身は勉強不足感と、緑本以外からの出題で失点が多かったものの70点で合格できました。実技は60点あれば合格です。点数は受験後に合格通知とともに知ることができます。

FP1級実技(日本FP協会)論述対策

実技の勉強で受験生に恐れられているのが論述です。300字程度で1問出題されます。配点は公表されていませんが、それなりに大きいと言われています。

論述の対策について、私が実際に受験して感じたポイントを解説します。

出題傾向

過去の論述問題を見ていると、ほとんど過去問から出題されています。形を変えて出題されているだけなので、記述と同様に過去問だけで対策できると思います。

私は緑本にあった論述の過去問が9題をすべて覚えたました。当日の試験は見事にその中から出題されたのでばっちり書くことができました。

論述の覚え方

論述対策の勉強は、緑本にあった9問の過去問を暗記しました。文章をさっと読み、キーワードを厳選してノートに書き出し暗記しました。

画像は論述で実際に暗記した内容です。

論述の覚え方

ノートの左側が問題、右側が答案のキーワードです。左の問題を読んで、右の答案を見ずにキーワードを書き出せるまで暗記しました。

私は試験前日に論述に手をつけたので時間が足りませんでした。そのため300字いっぱい満点を狙うよりも、短く正しい答案を書く方法を選びました。必須ワードだけを抽出すれば、本番で大きく外すことなく勉強時間を短縮できます。

本試験では200字に満たなかったのですが、内容はバッチリ書けたと思います。
この方法なら1日あれば論述対策は終了します。

CFPエントリー研修の内容を確認

CFP経由で受験する場合は、CFP合格後に受講するeラーニングのエントリー研修の内容を見ておくことをおすすめします。

論述の出題と内容が重なっている部分があるため、論述対策の参考になると思います。

エントリー研修は受講後は再度閲覧することができないので、メモや自分用のスクリーンショットが必要です。私も一読だけはしておきました。

FP1級まとめ

FP1級はとても難しいですが、税理士や社労士などに比べたら難易度は低いです。

ファイナンシャルプランナーとして最高レベルでありながら、ある程度の時間と労力だけで多くの人が合格できる資格です。

FP2級とFP1級では周囲からの見え方もかなり変わってきますので、迷っている人はぜひいつでも挑戦してほしいと思います。