第四章 夢だけが心の支え。ビジネスモデルを考える。
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起業
2018.02.20

第四章 夢だけが心の支え。ビジネスモデルを考える。


某マーケティングコンサル会社の営業統括をやりながら、圭太は今後のビジネスモデル構築もせねばならなかった。休みはまったくなく、慣れない環境で肉体的にも精神的にも辛い日々ではあったが、一旦保険業界を離れビジネスを俯瞰的に捉えて再構築する絶好の環境と捉えた。

アパートは会社から徒歩で通えるところに借りたので終電を気にすることは無かった。
取引先との接待が無い日は近くのラーメン屋か定食屋かコンビニのおでんを買って食べる日々。元々酒が飲めない体質で大手企業のマーケティング部との接待も結構辛いものがあったが、独り飯もそれなりに侘しいものだった。

前職を辞して僅か数か月しか経たないのに年収5,000万の時代がはるか昔の事のように思えた。毎週金曜の終電で京都に帰り、日曜の終電で東京に戻る。京都での週末は10坪弱の暖房設備もないオフィスで、保険契約者の保全とビジネスモデルを考える時間に充てた。

圭太の考えたビジネスモデルの骨子はこうだ。


【1】規制緩和(生保乗合解禁)を機にこれからは日本も欧米のように乗合代理店の風が吹く。
ニードセールスを追求すればするほど1社専属ではなく、複数社の商品から最適な商品を選択できる購買代理志向が主流となるはずだ。

【2】一般流通業同様保険代理業も大型化の時代が来る。
保険業界も家電業界や小売業の様に消費者に近い流通の川下が大きくなり、顧客ニーズを反映したメーカーに伍して戦える規模を追求する保険流通維新が必要だ。

【3】ライフプランニングデータを販売時の保険設計のみにしか活用していないのはあまりにも勿体ない。
新契約を追いかけて既契約者がなおざりになりやすい業界において常に顧客への関心を持ち続けるためにも、この貴重なる顧客資産と終身担当する顧客とプランナーとの信頼関係を活用し、保険は元より保険以外の商品やサービスを提供するビジネスが可能なはずだ。


【1】の乗合代理業は二人以上の募集人が必要という最低条件さえクリアすれば差ほど難易度は高くない。
【2】は果たして私が創る組織のコンセプトや仕組みに共感してくれる仲間がどれだけいるか、本当に全国展開できるのか。そしてその仲間を束ねるだけのリーダーシップや資金が私にあるかどうか。結構ハードルが高いように思えた。
【3】は元々保険会社にいる頃から、ライフ(人生)をプランニング(設計)するなら解決策は保険だけではなく、あらゆるソリューションをメニューに持ち、真の人生の伴走者となりえるビジネスモデルに昇華させたいという想いがあった。

よってこれは将来的に保険代理業に特化するのではなく、まずは強みを活かしたビジネスを横展開していくこと、将来的には総合生活支援業を目指すという目標に近かった。この考え方をビジネスモデルに昇華するためにも一度業界を離れ、データベースマーケティングの世界に飛び込むことを決意したのだった。

全国展開や保険以外のビジネスを展開することが本当に可能なのか、そもそも私がそんなことができる器なのか。もちろん確固たる自信があったわけではないけれど、それが自分がやりたいことだという想いは日増しに増していった。夢だけが心の支えだった。


続く

◆コラム◆

“起業に必要なたった一つのこと”

起業するのに必要なことには何があるのでしょうか。

資金。ビジネスモデル。理念。目標。使命感。意志。欲。根性。行動力。知性。戦略。運・・多分答えは一つではありません。人によっても答えは違うと思います。ただ、今起業すること自体のハードルは、差ほど高くは有りませんね。会社を創るのも資本金は1円でできてしまいますので社長と呼ばれようと思えばすぐにでもできてしまいます。

どんな会社にしたいのか?どんな規模にしたいのか?誰の役に立つビジネスにしたいのか?によってもその難易度は大きく変わります。私の場合ですと、基本独り+αで代理店を経営しようと思えば差ほどハードルは高くなかったのかもしれませんが、それなりに風呂敷を広げて始めようとしましたので結構大変でした(笑)

起業は始めることよりも継続すること、更に成長させ続けることの方がはるかに難しいことを身をもって経験してきましたし(まだたかが14年ですが)、そのためには仲間の存在や運の大切さもコトあるごとに気付かされました。その上で、敢えて起業に必要なたった一つのことがあるとすれば、まず「捨てる」ことではないかと思います。

今まで築いてきた地位やプライドや収入や住む場所や時には人間関係も捨てること。リスクリターンの法則は資産運用も起業も人生も同じです。

大きく捨てられるヒトは大きく得られる可能性を秘めています。小さくしか捨てられなければ小さくしか得られないでしょう。もちろんどちらが良いとか悪いかはありません。ただ、ほとんど捨てずに、大きく得ようとする人が結構います。もちろんそれも可能性として無しではありませんが、私なりの過去の経験則や周りの経営者を見ていて感じることは、捨てるより得ることを優先して自分の地位やポジションを固めようとしたり、人に影響を与えようとしても、結果的に周りからの信頼を得ることができずに失敗や失脚をしたり、伸び悩む人が多いような気がします。

一度得た生活水準を落とすことに勇気は入りますが、自分を律し、断つ勇気がなければ起業家として大成することは難しいのかもしれません。

この記事を書いた人
堀井計
堀井計
(株)ホロスホールディングス
代表取締役社長
(株)ホロスプランニング
代表取締役会長
Profile
ソニー生命保険株式会社 京都中央支社長/株式会社アダムス 取締役ゼネラルマネージャー/株式会社エスクァイアマガジンジャパン 取締役/2001年4月 株式会社ホロスプランニングとしての営業を開始/2007年11月 株式会社HOLOS-BRAINS 取締役会長就任 ※現任/2014年2月 株式会社ホロスホールディングス 代表取締役社長就任 ※現任/2017年10月 株式会社エルティヴィー 代表取締役会長兼社長就任 ※現任 ☆趣味は読書、サーフィン、落語。☆
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皆さんこんにちは。ホロスグループ代表の堀井です。
日常にあるちょっとした出来事や体験で気付いたことにユーモアをブレンドし、独断と偏見に満ち満ちたコラムやブログを書いてます。お気に召す方は是非無料のサプリとしてご愛用ください(笑)
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