第二十二章 指示命令をしないマネジメントスタイル
ビジネス
起業
2018.12.10

第二十二章 指示命令をしないマネジメントスタイル


創業当初から暫くの間、圭太は他の経営陣や幹部から度々「うちの社長はリーダーシップが無い」と言われてきた。特に業績が低迷しているときにその声は大きく感じられた。経営において理想的なマネジメントスタイルとは何なのか。MBAや著名な経営者から学べば身につくのだろうか。機関車のような「俺についてこい」型経営者がいいのか、サーバントリーダーシップと呼ばれる召使型のマネジメントスタイルのほうがいいのか(大きなビジョンや目標の実現にまい進している仲間を支援(=奉仕)するリーダーのこと)。おそらく100人経営者がいれば100通りあるに違いない。

そもそもリーダーシップとは何なのか。定義は多岐に渡るが、一般的な概念は、「指導者たる地位または任務。指導権。指導者としての資質・能力・力量・統率力。」とある。

圭太が起業する前の指導者としての経験は保険会社で9年程度。60人程度の組織をマネジメントしていた。その組織はフルコミ(完全歩合制)の社員の指導管理であったため、圭太のマネジメントの原型はその環境で培われたものだ。当時、ほとんどが年上だったこともあり、また個人事業主的な立ち位置であったため、極力指示命令を抑え、問いかけながら気づいてもらうコミュニケーションを意識していた。

そのやり方で全国でも高生産性を維持していたのだ。もう一つは圭太自身が元々指示命令されることをあまり好まなかった。ヒトは指示命令されることでモチベーションを落とし、自ら意思決定することでモチベーションを上げるものだという価値観を持っていたのだ。よって経営トップという立場になっても過去のスタイルを踏襲し、更にそれをブラッシュアップし、極力指示命令しないマネジメントをしようと決めていたのだ。

トップダウンで組織をコントロールするのではなく、社員が自律的に判断し、主体的に動く会社にしたかったのだ。

圭太は創業当初に作成した経営ビジョンの「組織と人の在り方」の中に、「個々の価値観を認め合い、全員が「経営者思考」で行動できる自律型社員を養成しながら成長し続ける企業。」と記している。

果たして、そんなマネジメントスタイルで規模を大きくし業績を上げ続けることは可能なのか。スピーディな意思決定や的確な判断ができていくのか。圭太は保険業界に新しいビジネスモデルで変革し、保険営業パーソンの存在価値を上げるという目的の他に、マネジメントスタイルを今までの指示命令型ではなくインディアンの長老型マネジメントで成長させるということも、起業時における挑戦でもあったのだ。

もちろん圭太にもコントロール願望はあった。時にはトップダウンですべてをコントロールしたほうが早くて確実と思うこともあったが、それでも圭太は社員を指示待ちの受動型人間にしたくなかったし、そのやり方を押し付けるのではなく、営業シーンでもマネジメントシーンでも自らそのスタイルを実践しながら部下が真似し、結果的に組織に根付くことを理想とした。

「今までは、そのスタイルで何とか成長できた。これからもこのスタイルを大事にしながら、更に組織を成長発展させることができるのだろうか・・・」

圭太の挑戦はまだまだ続く。


続く

<コラム>

ホワイト企業のマネジメントスタイル、長老型マネジメントとは

ホワイト企業という言葉が、最近使われるようになってきました。これはブラック企業の対極にあります。「ブラック企業」とは、セクハラ、パワハラ、過酷な労働、劣悪な作業環境、給料や残業代の未払いなど、社員の幸せをかえりみない経営をしている企業、あるいは公害の垂れ流しや公序良俗に反するような反社会的な企業をさし、最近では大手広告代理店の労働問題が世間を騒がせました。業績を上げるには少々のブラックには目をつぶる。一昔前ならこんな価値観が当たり前だったのではないでしょうか。

一方、経営者の徳が高く、社員思いで、ホワイト企業と呼べるような企業も、昔から存在し、不思議なことに、一般にブラック企業より、ホワイト企業の方が業績は良いケースが多いとも言われています。社員を犠牲にして利益を追求しているブラック企業よりも、社員の幸せを大切にしているホワイト企業の方が、利益はあがっていると。おそらく、合理的に利益を追求するよりも、社員の人間性や「やる気」を尊重するほうが、企業の業績や成長に貢献するという事だということです。

この仮説が正しければ、ホワイト企業の数が増えれば、幸せな人が増え、社会はより良い方向へ進化し、おまけに企業の業績もあがり、経済も活性化し、国力も増し、良いことずくめになります。

このホワイト企業となるためのマネジメントスタイルに「長老型マネジメント」があります。いわばこれは、MBA等で教わる管理型のマネジメントの対局の考え方です。(以下管理型マネジメントの対比)



今までのスタイルを急に方向転換することは中々難しいかもしれませんが、これからのあるべきマネジメントとして経営者は注目するに値するのではないでしょうか。

(出典元:マネジメント革命 天外伺朗著/ホワイト企業大賞企画委員会)

この記事を書いた人
堀井計
堀井計
(株)ホロスホールディングス
代表取締役社長
(株)ホロスプランニング
代表取締役会長
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ソニー生命保険株式会社 京都中央支社長/株式会社アダムス 取締役ゼネラルマネージャー/株式会社エスクァイアマガジンジャパン 取締役/2001年4月 株式会社ホロスプランニングとしての営業を開始/2007年11月 株式会社HOLOS-BRAINS 取締役会長就任 ※現任/2014年2月 株式会社ホロスホールディングス 代表取締役社長就任 ※現任/2017年10月 株式会社エルティヴィー 代表取締役会長兼社長就任 ※現任 ☆趣味は読書、サーフィン。落語。☆
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皆さんこんにちわ。ホロスグループ代表の堀井です。
日常にあるちょっとした出来事や体験で気付いたことにユーモアをブレンドし、独断と偏見に満ち満ちたコラムやブログを書いてます。お気に召す方は是非無料のサプリとしてご愛用ください(笑)
ブログ:ワタスがほりいけいダッ