プロバイダ責任制限法の改正
生活全般
エッセイ
2022.08.04

プロバイダ責任制限法の改正

2022年10月に、プロバイダ責任制限法が改正される予定です。


インターネットは誰でも自由に情報を発信できることから、しばしば誹謗中傷やプライバシー侵害が問題になります。例えば、SNSで誹謗中傷等の権利侵害をしている匿名の書き込みがあった場合、被害者は「書き込み」をした人が匿名のため、すぐに損害賠償請求ができません。

また、SNSを提供する運営会社は、投稿された内容を残すと「被害者による損害賠償請求」、投稿された内容を消すと「投稿者による損害賠償請求」と、板挟みになる可能性があります。そこで、両者を保護するため2002年にプロバイダ責任制限法が制定されました。

被害者側には【権利侵害情報発信者の情報】を開示請求する権利が明記され、運営会社側は下記の状況でなければ損害賠償されないと定義されます。

・違法な投稿を知りながら何もしなかった場合
・投稿した側に承諾や通知、対話無しに勝手な削除を行った場合


これらを踏まえた上で、現在のインターネット環境に合わせた大きく2つのポイントが改正されます。

(1)新たな裁判手続きの創設

現状では、権利侵害発信者に損害賠償を行う場合、個人特定のため2回、損害賠償のため1回と、最大3回の裁判が必要です。これでは被害者側の時間とコスト負担が大きく、開示に値する権利侵害の判断が難しいため、手続き中にログ情報の保管期限が切れてしまう問題もありました。

改正法では手続を迅速かつ簡易にするため、情報開示請求を1度でできる新しい手続きが創設されます。


(2)開示請求可能な範囲の拡大

開示情報に電話番号が追加され、個人特定がしやすくなります。また、SNSなどログイン型WEBサービスにおいては、ログイン時のIPアドレス情報しかログとして保存されないものがあります。投稿ログがない場合、ログイン時のIPアドレス情報などは開示対象に含めるか論争になっていましたが、今回の改正で開示請求範囲に含まれるようになりました。


インターネットでは、自分に落ち度はないのに誹謗中傷されるケースもあれば、自分の発言がきっかけとなって誹謗中傷に発展するケースもあります。年代や場所を問わずSNSを使うのが当たり前の時代では、一人ひとりが当事者になるかも知れません。

また、こういった状況を踏まえて、国や専門家、サポート団体などによる相談窓口も設立されています。万が一の際は、慌てることなく専門家に相談して指示を仰ぐことをおすすめします。

<ご参考までに>
総務省:インターネット上の違法・有害情報に関してお困りの方へ
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai_02.html


ネットで誹謗中傷・炎上が続くのはなぜ?心理学的理由と対処法
https://allabout.co.jp/gm/gc/483976/



Text by L-club Team(エルティヴィー L-clubメールより引用)

HPH220804-003-01

この記事を書いた人
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2001年4月生まれ。
イチロー選手(当時:シアトル・マリナーズ)がメジャーリーグの開幕戦、1番ライトでデビュー。時を同じくして誕生したホロスプランニングの公式マスコットです。
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