アコムをはじめとしたカードローンでは、利用限度額という「借り入れられる上限の金額」が決まっています。
この金額は初めての契約時に申込者の年収等の属性情報をもとに、初回限度額として設定されるので、一定ではありません。
しかし、できるだけ多くの利用可能額が欲しいと思う人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、アコムで初回の利用可能額が設定される仕組みと、限度額を増額するためのポイントを解説します。
アコムの初回限度額は審査で決まる
アコムを含め、各ローンは審査で限度額を決定しています。審査では下記が限度額決定の重要な要素となります。
- 申込者の属性
- 総量規制額
- 収入証明書類
審査での注意点と共に、なるべく希望に近い額を限度額に設定するためのポイントをチェックしていきましょう。
属性情報によって設定される初回限度額は変わる
総量規制に抵触しない範囲内で金額を借りたいとしても、大きな金額を借りるのは実際には難しいのが現実です。
年収300万円の人は理論上は100万円まで借りられますが、初めてアコムに申し込む人が100万円までの金額を借りられることないでしょう。
アコムの初回限度額を調べるためには、IR情報に掲載されている「初回貸付単価」があります。
年度 | 初回貸付単価 |
---|---|
2020/3 | 164,000円 |
2020/6 | 191,000円 |
2020/9 | 183,000円 |
2020/12 | 176,000円 |
2020年3月時点での初回貸付単価は平均で「16万4千円」で、最新の2020年12月では「17万6千円」となっています。
はじめてアコムに申し込む人は、18万円前後の限度額になる可能性があります。
しかし、この金額はあくまでも平均値なので、初回でももっと多くの融資額を借りられる人はいます。
融資額はどんな情報によって、初回限度額は変わるのでしょうか?
アコムでは、申込情報を点数化する「スコアリング」によって瞬時に採点し「この人のスコアなら貸付金額はこのあたりが妥当だろう」と計算しています。
計算の詳細については公式には発表されないため、本当に細かいところは分かりませんが、一般的には以下のような項目で判断されるとされています。
- 年収
- 職業
- 勤務期間
- 信用情報
- 他社の利用履歴
総量規制額
アコムをはじめとした消費者金融では、総量規制の制限を受けます。
総量規制とは「利用者の年収の3分の1を超える融資ができない」というルールのことです。
50万円借りたいなら年収150万円、100万円借りたいなら年収300万円が必要となるのです。
あくまでも総量規制額は「借入可能な最大値」と考えましょう。
つまり、150万円年収があれば、絶対に50万円借りられるというわけではありません。
属性を元に総合的に判断して、借入限度額が決められるのです。
初めて消費者金融を利用する場合は、過去に返済履歴がありませんから、信用度が低くなります。
そのため、初めての申込で総量規制額ギリギリまで借りられることは、かなり難しくなります。
実際に設定された限度額の口コミでは、総量規制額の半分~3分の2程度の額が多くなっています。
最初は低い限度額でスタートし、貸付と返済の利用履歴がきちんと残ることで信用度がアップされ、それに伴って限度額アップされるケースが大半です。
年収
もっとも大きく影響するのは「年収」です。
前述のとおり、年収が低いと総量規制の関係からそもそも大きな金額を借りることができません。
年収600万円の人と300万円の人では、そもそも借りられる上限額が全く異なるわけです。
年収以外の属性情報
年収300万円の人であっても、総量規制いっぱいまで借りられるなら100万円は借りられても良さそうなものです。
しかし、現実には全体の初回貸付単価は約17万円しかありません。
それは、年収以外の要素も関係してくるためです。
たとえば「職業」という要素があります。
安定した収入が見込まれ解雇や退職の心配がないことから、信用度が高く返済能力が高いと判断されます。
もっとも評価が高くなるのは「公務員」や「上場企業の正社員」です。
そのほかにも「医者」や弁護士など難易度が高い国家資格を持つ士業の人も評価が高くなります。
他社借り入れ
他社からの借り入れがある人より、ない人の方が月々の返済負担が少なくないのは当然です。
返済余力があると判断されて、借り入れがしやすくなります。
また、総量規制に抵触していないかも確認されます。
他社ですでに総量規制に引っかかるほどの借り入れをしている場合は、新たに借り入れをすることはできません。
信用情報
信用情報とは、過去にカードローンなどを借りていた際の返済状況のことです。
もしも返済の遅れなどが理由による事故情報が記載されている場合は、融資を受けることはできません。
逆に、今までカードローンを借りていてもキチンと完済している人は、アコムからしても「安心してお金を貸すことができる人」です。
設定される限度額にも良い影響を与えるでしょう。
この信用情報はカードローンの返済以外にも、住宅ローンなどの各種ローンやクレジットカードのキャッシング枠も該当します。
収入証明書類
収入証明書類は、実は限度額が50万円超える契約(他社借入がある場合は合計額100万円超え)を行う際に提出が必要です。
しかし、年収や他の利用ローンで気になる点があると、希望限度額に関わりなく提出を求められる可能性があるのです。
収入証明書を提出できると、信用度アップにつながるので、希望する限度額に関わりなく提出予定にしておくほうがよいですね。
アコムで収入証明書類と認められているのは、源泉徴収票、給与証明書、市民税・県民税額決定通知書、所得証明書、確定申告書となります。
このうちのどれか1点を提出すればよいので、準備しておきましょう。
アコムの利用可能額は最大で「800万円」
アコムでキャッシングできる最大可能額は「800万円」です。
もともとは現在のプロミスと同じ500万円でしたが、2016年には現在の800万円に増額されています。
一方で、似たようなサービスであるクレジットカードのキャッシング枠の場合、50万円くらいが上限額として設定されるのが一般的です。
100万円のような大きな金額を借り入れるなら、カードローンの方が向いていると言えます。
全員が800万円借りられるわけではない【要審査】
アコムのカードローン自体の最大可能額が800万円です。
しかし、あくまでも「最大」の数字ですから、誰もがそこまでの金額を借りられるわけではありません。
申し込み時に提出した内容を審査した結果で、個人ごとに利用可能額が異なります。
希望限度額が借りられなかった場合どうすればいい?
すべての人が希望する限度額いっぱいまで借りられる訳ではありません。
万が一、自分の希望限度額に及ばなかった場合はどうすればよいのでしょうか?
初回の融資額が小さい理由
初回の借り入れでは、アコムの最大利用限度額である800万円や、総量規制(年収の3分の1)の金額いっぱいまで借りられることはほぼ不可能です。
それは、今までお金を借りたことがない「信用情報が真っ白の人」が、果たして信用できる人物なのか分からないからです。
お金を借りたことがない人をみて「完済してくれる信用がおける人」と判断することはできません。
そのため、アコムとしてもまずは慎重に少額を貸し付けています。
カードローンをたくさん利用していたとしても、返済の実績を積み重ねた人のほうが、まったく借りたことがない人よりも信用度は高くなります。
別の貸金業者でカバーする
総量規制の範囲内であれば、アコムと別の貸金業者を併用することも可能です。
アコムでは初めての申込なら、総量規制額いっぱいまで借りられないこともあります。
そこで足りない額は、別の貸金業者でカバーする方法を取ってもよいでしょう。
ただし、複数社での借入は多重債務に陥りやすいことから、貸金業者は警戒して審査に通りにくい可能性があります。
さらにあまりに多い貸金業者に一挙に申し込んでしまうと、「相当お金に困っている申込者つまり返済不能になりやすい」と判断されても仕方ありません。
カードローンは厳選すること、また短期間での申し込みはアコムともう1社までに抑えてしまいましょう。
貸金業者の審査申し込みは、クレジットカードや他のローンの審査に影響が出てしまいます。申込先は慎重に決めることをおすすめします。
銀行カードローンも選択肢に入れる
アコムのような消費者金融では、最短の即日審査・即日融資も可能です。
お急ぎなら消費者金融を申し込み先として選ぶのは良い選択でしょう。
しかし時間に余裕があるなら、銀行カードローンも選択肢の一つとする方法もあります。
銀行カードローンは、即日融資が不可となりし、総量規制と同じように年収の3分の1までの年収規制があります(銀行側が年収の3分の1を超える貸出を自粛する規制)。
銀行カードローンのメリットとしては金利が低い点が挙げられます。
利用限度額は増額が可能
はじめてアコムでお金を借りる人が設定される利用可能額は平均で17万円でした。
利用していくうちに「もっとたくさんのお金を借りるようにできないかな・・・」と感じることもあるでしょう。
そんな時は、アコムに増額申請することで限度額を増額してもらうことが可能です。
限度額を増額する方法
アコムで利用限度額を増額するための方法には、以下の3つがあります。
- 電話での申し込み
- 会員ページで申し込み
- 自動契約機・店舗で申し込み
電話での申し込み
上記のアコム総合カードローンデスクに電話をかけることで、増額の申し込みが可能です。
電話での申し込み時間は平日の9:00~18:00に限られるため、夜間や土日にしか電話する時間が取れない人は、ほかの方法を選択するしかありません。
アコム総合カードローンデスク
0120-629-215【受付窓口:平日9:00~18:00】
電話口で増額申請が可能かを教えてくれるため、安心して申請手続きに臨むことができます。
会員ページで申し込み
インターネット上の会員ページからでも、増額の申し込みが可能です。アコムの会員ページにログインして「極度限度額の変更の申し込み」という案内がきているかを確認してください。
案内がきている人に限って変更申請が可能です。
メール内の「極度額変更のお申込み」から「開始」をクリックすることで、増額審査に申し込むことができます。
会員ページに限度額変更に関する案内がきていない場合、残念ながら会員ページからは申し込みができません。
自動契約機か店舗、電話での申し込みを検討してください。
自動契約機・店舗で申し込み
自動契約機は、画面の指示通りに進めば増額の申し込みが完了します。
店舗も同様で、担当者に「増額の申し込みをしたい」を申請すれば、あとはお任せで審査が行われます。
ただし、いずれの方法も増額の申請には本人確認書類の提出が必要な点には注意してください。
増額の結果で金利が安くなることも
アコムの金利「年3.0%~18.0%」です。この金利は契約限度額に応じて次のように決められています。
契約限度額(契約極度額) | 適用金利 |
---|---|
1万円~99万円 | 年7.7%~18.0% |
100万円=300万円 | 年7.7%~15.0% |
301万円~500万円 | 年4.7%~7.7% |
501万円~800万円 | 年3.0%~4.7% |
はじめて借り入れる時の限度額は17万円前後のため、金利は年18.0%が適用されます。
仮に、増額によって限度額が100万円以上に設定される場合、金利の上限が年15.0%まで減ることになります。
限度額が上がることでより多くのお金を借り入れることができるだけでなく、金利が低くなることでお得に借り入れることができるのです。
限度額を増額する際の注意点
増額には審査が必要
増額は、誰でもできるわけではありません。
新規に申し込んだ時と同様に審査が必要です。
原則として当日には回答がきますが、申し込む時間帯によっては翌日にずれ込むこともあります。
早めに申請しておくのがおすすめです。
希望通りの増額にならないことも
限度額の増額を希望したとしても、誰でも必ず希望通りの金額になるとは限りません。
増額の審査では新規申込みの審査と同じく、年収や職種、勤続年数、信用情報、他社借り入れ状況などから総合的に判断して新しい限度額が決められるためです。
増額を申し込んだのに減額になることも
増額の審査は「限度額が上がるか、据え置きか」のいずれかになると決まっているわけではありません。
場合によっては、増額審査前に比べて限度額が減らされてしまう可能性もあります。
限度額が減らされてしまう要素の一つが「返済の遅れ」です。
事故情報として記録されない程度の遅れだったとしても、返済が遅れた場合は減額される可能性はあります。
そのほか、総量規制のオーバーも原因のひとつです。
他社での借入額を含めてすでに総量規制に抵触してしまっている場合、枠内に収まるように借入限度額が減らされる可能性は十分に考えられます。
返済実績を積むことが増額の近道
ここまで読み進めて「限度額のアップは大変そう・・・」という印象を抱いた人も少なくないはずです。
しかし、最初から希望可能額を高めに設定して審査に臨むのはおすすめできません。
最初から限度額を高く設定すれば、それだけ審査が慎重に行われます。
そもそも審査に通過できなくなる可能性があるわけです。
急いでいる場合は、限度額を高くしたばかりに審査に時間がかかってしまうことで、お金が必要な時間までに借りることができないことも考えられます。
増額審査で大切な2つのこと
増額で大切なポイントは「返済実績」と「信用」です。
小さな借り入れだとしても毎回必ず完済していくことで、アコムから「返済能力と意思がある人物」として見られることで評価があがっていきます。
真面目な返済を続けることで、自然とアコムから電話や増額案内のメールが届くでしょう。
利用可能額がいきなり0円になる原因
限度額が減らされるタイミングは、審査の時だけではありません。
審査していなくても、突然限度額が0円になってしまうこともあります。
何が理由で、限度額が0円になってしまうのでしょうか?
住所変更の連絡を忘れた
頻繁に引越しをする人にありがちなミスです。
アコムなどの消費者金融を利用する場合、住所変更などがあった際には必ず住所変更連絡をしなくてはいけません。
住所変更の連絡を忘れた場合、アコムからの信頼を失くしてしまいます。
結果、利用限度額が0円になってしまう可能性があるのです。
住所だけでなく、勤務先や年収に変更があった場合も同様です。
きちんと連絡して情報を共有しておかないと、アコムからの信用を無くすことになります。
返済遅れで事故情報が登録された
アコムから借りたお金を返済できずに滞納や遅延になってしまった場合、その期間や回数によっては限度額が0円になってしまう(利用停止)場合があります。
具体的な延滞日数としては「61日」がキーワードです。
61日または3ヶ月以上の時間が経つと、事故情報として個人信用情報機関に記録されてしまいます。
こうなると金融機関からの信用は完全に失われてしまいます。
すでにカードローンを作っていたとしても、新たにお金を借りることはできなってしまいます。
アコムの限度額を下げたいけれどできる?
総量規制額に余裕を持たせたい、他のローンやクレジットカードを申し込む際に有利にしたいという場合などに限度額減額、限度額の引き下げは効果的です。
借りすぎも限度額を減額しておけば、自動的に防げますね。
ただし、一旦減額してしまうとまた限度額アップしたいときには増額審査を申し込むことになりますので、きちんと検討してから依頼しましょう。
まとめ
アコムの限度額は審査で決まります。
審査は総合的な判断なので、年収が多ければ限度額も多くなるというわけではありません。トータルで信用度をアコムが判断し、限度額が決定します。
また、限度額の設定可能範囲は1万円~800万円ですが、初めて申し込む方は50万円以下の設定となることが多いと考えておきましょう。
アコムでは増額も可能なので、長期的な利用を想定して限度額を設定するとよいですね。