アコムなどの消費者金融からお金を借り入れると、利用明細書という書類が発行されます。
「こんな書類、要らないよ・・・」
このように思っている人は、ちょっと待ってください。
利用明細書には、カードローンを利用するうえで把握しておきたい情報が詰まっているのです。
今回はアコムから発行される「利用明細」の見かたと用語、電磁交付への切り替え方法について解説します。
アコムで借り入れ・返済すると「利用明細」が発行される
アコムで借り入れを行う際に、必ず発行されるのが「利用明細」です。
まずは、利用明細とは何なのかを解説します。
利用明細書とは
アコムに限らず、借入れや返済を行うとその履歴が明細として発行されます。これが「利用明細」です。
はじめのうちは届いた利用明細をしっかりチェックするはずですが、慣れてくると届いても封を切ることなく捨ててしまう人は多いのではないでしょうか?
しかし、この利用明細はカードローンを利用していくにあたっては重要な書類です。
利用限度額の増減を確認できる
利用明細では自分の「利用限度額」、つまり自分が「あとどれだけアコムから借り入れることができるか」を確認することができます。
アコムで借り入れられる金額を表す「利用限度額」は、契約した人ごとに金額が異なります。
これは利用者の年収や信用などの返済能力が、審査の際に点数化されることで限度額が決められるためです。
同じ年収だとしても、サラリーマンとフリーターでは利用限度額が異なる可能性が高いわけです。
この利用限度額、実はいきなり変動することがあります。
これは過去に「返済を遅らせた」などのアクシデントを発生させたことが原因です。
お金が必要な時にスムーズに借り入れるためにも、返済遅れは絶対に避けておきたいところです。
利用明細書には次の返済日も掲載されているため 確認して口座の残高を補充しておくことで、返済の遅れを回避することができます。
返済残高の管理は長く利用するうえで大切
遅延せずに毎月決められた金額を返済していると「少しずつでも残高が減っているだろう」と軽く考えてしまいがちです。
しかし、返済途中に追加で借り入れてしまっているようなケースでは、返済しているのに残高が一向に減らないケースもあります。
毎月の利用額に対する利息を返済できないことで、長く借り入れるほど利息がふくらんでしまいます。
いつしか、返済できないほどに大きく膨らんでしまうこともあるかもしれません。
そうならないためにも毎月必ず利用明細で残高を確認し、先月の残高と比較することが大切です。
もし借入残高が横這い、あるいは増えてしまっている場合、借入れと返済のバランスが取れていないということです。「毎月の返済金額を増やす」「借り入れする金額を減らす」といった調整が必要になるでしょう。
明細書の種類
アコムで発行される利用明細は、借入れや返済の状況や利用したローンカードの種類によって以下の3つに分けられます。
- 貸付明細書
- 入金明細書
- カードご利用明細書
貸付明細書
カードローンを利用してお金を借りた場合に発行されるのが「貸付明細書」です。
「取り引きした日」「取り引きした金額」をはじめ、以下のように「カードローンによってお金を借りた事実と内容」が記載されています。
- 取引内容
- 取引金額
- 元金
- 利息
- 遅延損害金
- その他充当
- 残高
- 利用可能額
- 次回返済日
- 次回返済額
- 最新貸付日
- 最新貸付け後残高
- 無利息残高
- ATM手数料
入金明細書
入金明細書は、アコムに対して返済を行った時に発行される明細です。
カードローンの返済や、クレジットカードの支払いに関する取引内容が記載されています。
- 取引内容
- 取引金額
- その他残高
- 残高
- 利用可能額
- 次回返済日
- 次回返済額
- 貸付利率(実質年率)
- 35日毎返済
- 返済回数
- 次回返済金額
- 返済金額合計
- 最終返済期日
- 返済方法
カードご利用明細書
こちらはACマスターカードを利用した際の内容が記載されています。
- ACマスターカードの利用内容
- 自動振替による入金の内容
明細の受け取り方
利用明細は、アコムからお金を借りた、あるいはアコムにお金を返済したことで発行されます。
受け取り方としては大きく分けて「ATMで受け取る」か「郵送で受け取るか」の2択です。
アコムATMで受け取る
自宅近くに自動契約機(むじんくん)をはじめとしたアコムの直営店舗がある人は、そこで返済するのがおすすめです。
ATMから利用明細が発行されるため、自宅に明細が届かなくなります。
もし明細書を確認したい場合は、会員サイトにアクセスすれば確認可能です。
コンビニATMと違って、手数料がとられることもありません。
ただし、全国至るところにあるコンビニと違い、設置場所が限られるのがデメリットです。地方都市の場合、街中に一件あるかないかという程度でしょう。
セブン銀行等のコンビニATMで受け取る
セブン銀行をはじめとしたコンビニATMでも、借入れと返済が可能です。
明細書がATMから発行されるため、郵送されることはありません。(確認したい場合は会員サイトで確認できます)
全国のほとんどのコンビニ(セブンイレブン・ローソン・ファイミリーマート・ミニストップ等)を利用できるため、誰にとっても使い勝手が良いのです。
ただし、利用のたびに手数料が取られます。
取引金額10,000円までは110円、10,001円以上であれば220円と1回の金額は大きくありません。しかし、回数を重ねると馬鹿にはできません。
郵送で受け取る
アコムの借り入れに関して、ネットでキャッシングした場合は明細書が郵送で届きます。電話での申し込みでも同様です。
届け主はアコムではなく「ACサービスセンター」名義になります。
アコムという名称は誰でも消費者金融として認知されていますが、ACマスターカードという名称であればアコムとバレる心配は少ないでしょう。
ただし、明細を開けられてしまえば「どこからかお金を借りたようだ」ということはバレてしまう可能性はあります。
家族バレを防ぐために万全を尽くすのであれば、電磁交付に切り替えるほうが安心です。
利用明細の見かた
利用明細に掲載されている内容は、いずれの明細でも似通っています。
それぞれに共通する用語の意味、明細の見かたについて解説します。
金額・金利
まず目に入るのが「金額」です。
借り入れ明細書では実際に借り入れた金額の実績、入金明細書では返済した金額が記載されます。
そのほかに重要なポイントとしては「残高」「利用可能額」が挙げられます。
先月までの利用明細書を保管しておくことで「あといくら返済すれば完済できるのか」を確認しておことができます。利用可能額も一緒に確認して、最新の返済状況を把握しておきましょう。
記憶があいまいだと、いざ使いたい時に利用限度額が不足しているために借り入れられない可能性もあります。
返済期日・回数
返済期日に関しては「毎月の指定日」「35日払い」のいずれかが記載されています。
35日払いの場合は毎月の返済日が少しずつずれていくため、返済のタイミングで残高がなくなってしまわないように、計画的に口座の残高を足しておく必要があります。
「残りの返済回数」は、今後の返済プランを考える時に必要です。
例えば6ヶ月後に大きなイベントあって、その時にお金を借りたくなるかもしれないとします。その時がくるまでに、金銭的な余裕があるうちに返済しておくことが必要になるでしょう。
毎月1回の返済に加えて臨時返済をすることで、目的のタイミングまでに利用限度額を空けることができます。
遅延損害金
遅延損害金とは、文字どおり「返済が遅れた場合にアコムに支払うペナルティ」のことです。
遅延損害金の金利はアコムでは年20.0%に設定されています。これは通常の金利年3.0~18.0%と比べても高い水準です。
日が経つごとにどんどん金額が大きくなるため、何をおいても最優先で返済しておくことが大切になります。
無利息残高
アコムの借り入れが1,000円未満の端数がある場合に表示されるのが「無利息残高」です。文字通り、ここに掲載された金額に関しては利息が発生しません。
とはいえ大した金額ではありませんから、放置せずに完済してしまいましょう。
利用明細が自宅に届くのを防ぐ方法
アコムと契約すると、利用するたびに利用明細が発行されます。送り先は、特に何も手続きしていない場合は原則として「自宅」です。
利用明細の発行はアコムをはじめとした消費者金融側の義務ですから。これ自体を避けることはできません。
自宅に届くのを防ぎたいのであれば、電磁交付への切り替えを行いましょう。
電磁交付で発行する
アコムの会員サービスでは、明細書をインターネットで受け取ることができます。これが「電磁交付」です。
ほかのカードローン会社では「web明細」という名称で呼ばれることが多いですが、アコムでは「電磁交付」と呼ばれています。
アコムとの契約が完了すると、アコムから「契約手続きのお願い」というメールが送付されます。そこに記載されたURLにアクセスして手続きを行いましょう。
このURLから「WEB明細書」を選択することで、自宅に届かなくなる仕組みです。
メールを削除してしまったり見つからなかったりする場合は、アコムの会員ページで同様の手続きが可能です。
「交付書面の受取方法・変更」からWEB明細を登録してください。
電磁交付での確認方法
電磁交付に切り替えた後の明細の確認方法は簡単です。
アコムの公式ホームページの右上の「会員ログイン」を選択し、ログインメニューの中にある「明細の確認」をクリックしてください。
通常の明細書と同様の内容が確認できます。
利用明細を見る際の注意点
せっかく利用明細を発行しているのですから、完済のキッカケになるような使い方をしたいものです。利用明細書を見る時に注意しておきたいポイントを紹介します。
無利息残高が発生しているかも
無利息残高とは「利息が発生しなくなる借入残高」のことです。
アコムの場合、借入残高が1,000円未満になると自動的に利息が発生しなくなります。
極端な話、アコムから追加で借入れしなければ永遠に残高は増えません。
しかし、借入件数としてカウントされてしまうのは通常の借り入れと変わりません。
これから新しいカードローンやクレジットカード、住宅ローン等に申し込みたい場合は無利息残高が残っていることで不利に働いてしまいます。
どうせ1,000円未満の残高ですから、一気に支払って完済してしまうほうが良いでしょう。
完済の実績としてカウントされるため、今後の増額などの申請に良い影響を与える可能性があります。
利用明細は保管しておく
アコムを利用して発行された利用明細は、できるだけ1つの場所にまとめて保管しておきます。
残高が分からなくなった場合に確認できるだけでなく、返済額や借入額に間違いがないかの確認にも使えます。
ただ、ATMを利用した時に出てくる利用明細はなくても良いかもしれません。
あとからアコムの公式サイト上でも利用明細は確認できるため、それさえ保管しておけば同じ内容を2つ保管しておく必要はありません。
ただし、破棄する時は、コンビニのゴミ箱にそのままポイしてしまうのは止めて下さい。できればシュレッダーをかけて捨てるのがベストです。
電磁交付より郵送の方がいいこともある
家族にバレたくない一心で、web上での明細に切り替える人は多いです。
しかし、家族バレが気にならないのであれば郵送のままにしていたほうが良いこともあります。
それは「定期的に明細をみる習慣がつくこと」です。
家計簿などでキチンと返済残高と毎月の返済額を確認するクセがついている人は、もちろん電磁交付で何の問題ないでしょう。
しかし、忙しい毎日を過ごしていることで、自分から会員サイトにアクセスして利用明細の確認を怠ってしまうことは十分に考えられます。
そうなると、利用残高が把握できないばかりに利用額が増え、完済が遠のいてしまうかもしれません。
郵送であれば、手に取った時に開ければ内容を確認できるため、確認を忘れることはないでしょう。
アコムの利用明細の書類の見かたと用語の意味を解説 まとめ
今回は、アコムのカードローンを利用した場合の利用明細に記載された内容の見かた、電磁交付への切り替え方法等について解説しました。
電磁交付は誰にも見つかることがない上、紙の処分が不要で便利な方法です。しかし、意識して確認するクセをつけないと確認を怠り、残高の管理ができないばかりに完済が遅れることがあります。
郵送と電磁交付のメリットを比較して、ご自身に合った方法で定期的に残高を確認するようにしてください。