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CFP不動産の独学勉強方法【テキスト・対策・難易度・ポイント】

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私は2020年11月のCFP試験で不動産と相続の2科目受験し、不動産40点、相続42点で合格しました。

点数は合格ラインよりかなり余裕を持って合格できました。

出産直後で子育てが大変だったため、3週間ほど使ってだらだらと勉強してしまいましたが、わりといい点数が取れました。

この記事では、CFP不動産を独学合格した私の勉強法やテキストの紹介、試験の対策やポイントをお伝えします。

著者
森本 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)・CFP認定者・ 貸金業取扱主任者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。

CFP試験結果

私は2020年11月にCFP不動産を受験しました。
結果は40/50点。合格ラインは31点でした。

一緒に受験した相続は42点、金融は勉強が間に合わず記念受験となりました。
2019年11月の試験でライフ、リスク、タックスの3科目に合格しているので、今回は2回目のCFP試験でした。

CFP不動産の難易度

CFP不動産はかなり難易度が高いです。6科目の中でも難しい科目だと思います。特に不動産はボリュームが多く勉強が大変でした。

CFP6科目の中では金融がいちばん難しく、相続は簡単、残り4科目は横並びだと個人的には感じています。
CFPの受験生は実務経験者が多いので、個人の予備知識によって難易度の感じ方は変わります。

他資格と難易度比較

CFP不動産の難易度を私が保有している他資格と比較してみました。

CFP不動産とFP2級

CFP不動産は計算が複雑で暗記も多いため、FP2級より難易度が高いです。範囲はFP2級の方が多いのですが、FP2級の問題は単純で難しくありません。浅く広くがFP2級です。CFP不動産は個別の難易度が高く、FP2級よりもかなり難しいと思います。

CFP不動産と簿記2級

CFP不動産と簿記2級は同じぐらいの難易度に感じました。簿記2級は範囲が広いため、演習量は簿記2級の方が多くなると思います。

CFP受験科目のおすすめの組み合わせ

CFPの受験科目の組み合わせは、難易度で選ぶより試験スケジュールから選ぶと受かりやすくなると思います。

CFPの試験は2週にわたって3科目×2日間行われます。
1回のCFP試験2日間で1科目ずつ2科目受験し、3回の試験に分けて挑戦すると勉強時間が確保しやすくなります。

例えば3回に分けて受験する場合、①金融&リスク②不動産&タックス③ライフ&相続の組み合わせで受験すると、1日目終了後、1週間後の試験に向けて1科目に集中して勉強できます。

CFP不動産の勉強に必要なもの

CFP不動産の独学合格に必要なものを紹介します。以下の3点が必要です。

  • CFP不動産の過去問
  • CFP不動産の参考書
  • 電卓

CFPは独学の場合、参考書はなくてもなんとか合格できます。私は2019年11月に合格したライフ、リスク、タックスの3科目はほぼ参考書なしで受かりました。

不動産は計算問題が多く、計算過程も複雑です。試験当日は計算問題で多くの時間を取られます。これから用意するなら質のいい電卓を用意することをおすすめします。

CFP不動産のテキスト

私がCFP不動産の勉強に使用した参考書や過去問とおすすめを紹介します。

使った参考書

『みんなが欲しかった!FPの教科書1級』タック出版 税込4,180円

こちらはCFPではなくFP1級の参考書ですが、TACの「みんほし」シリーズは分かりやすいのでおすすめです。誰でも理解できるよう、図やイラストで視覚から覚えられるようになっています。過去問学習のアシストとして、補助的に使用することをおすすめします。

CFP専用のおすすめ参考書も後で紹介します。

使った過去問

私がCFP不動産の試験で使用した過去問はFPK精選過去問です。

FPKオリジナルCFP受験対策 精選過去問題集 各 3,900円(税込)

1科目につき約300問の過去問が1冊に収められています。すごいボリュームですが、この1冊をしっかりマスターすれば必ず合格できます。
過去問の解説だけではなく、税率の一覧表なども書かれていて解説が参考書なみに充実しています。
巻末には過去問ではカバーしきれない税制改正の概要や最新の地価動向など時事内容も掲載されています。

合格した他3科目(ライフ、リスク、タックス)についてもこのFPKを使って合格しました。

おすすめの参考書

CFP参考書を用意するなら日本FP協会が販売しているCFP®資格標準テキストがおすすめす。資格を実施している本家のテキストです。

『CFP®資格標準テキスト不動産運用設計』 日本FP協会 2,530円(税込)

私はこちらを使用したことがないのですが、試験会場では持参している人をちらほら見かけました。

おすすめの過去問

『CFP®資格審査試験問題集』日本FP協会 770円(税込)

CFPの実際の試験1回分50問が1冊に収まっています。過去3回分を購入して勉強すれば50問×3回分=150問で効率よく学習できます。

ボリュームが少ないので時間のない人にはこちらの過去問がおすすめです。
勉強量が少ないと点数が取れないように思われがちですが、私は相続と金融は過去問3回分の勉強で合格しました。
短期間で深く集中して覚えられるメリットがあります。

CFP不動産の勉強時間

CFP不動産の勉強は3〜4週間かけてしまいました。直前2日間は過去問をやり尽くして、することがありませんでした。集中すれば1科目2週間でマスターできると思います。
私のCFPの科目別勉強時間は以下のとおりです。

(だらだら取り組んだ科目)

  • 不動産40点・・・3〜4週間
  • 金融29点・・・3〜4週間(最後3日間徹夜)
  • ライフ28点・・・3〜4週間

(比較的集中して取り組んだ科目)

  • 相続42点・・・1週間
  • リスク38点・・・2週間
  • タックス40点・・・2日間(捨て問あり)

長期間だらだらするより短期間で集中したほうが高得点が取れました。

CFP不動産の勉強方法

実際の勉強手順を詳しく解説していきます。不動産の勉強方法について書いていますが、基本的にどの科目も同じ手順で勉強すれば合格できます。

①過去問を解く

最初に過去問をいきなり解いていきます。
解説を見ながら解きます。問題を解くのではなく、読んでいくイメージです。
計算問題は解説を見ながら実際に電卓を叩きます。

分からないのに無理やり解くのは時間の無駄なので、1回転目は最初から解答を見るスタイルがおすすめです。

②前日解いた過去問を復習して次へ進む

①で勉強した箇所を、翌日に解答を見ず解いていきます。これは大事なポイントですが、過去問1冊を終えてから2回転目に入るのではなく、前日に解いた問題を翌日すぐに復習すると定着率が上がります。

翌日に前日分の復習スタイルで、過去問2回転を終わらせます。

③過去問からレジュメを作成(3回転目)

過去問3回転目は1問目からしっかり解いていきます。
この時、解けなかった問題やあやふやな点をノートに書いてレジュメ化します。問題の正答ごとではなく、4択の選択肢ごとに自分の弱点を洗い出してください。

CFP不動産の対策

CFP不動産に合格するための対策を説明します。

①計算問題を何度も解く

不動産の計算問題は何度も何度も解いてください。
複雑でたまにひっかけ問題もあるので、演習で慣れる必要があります。
ほとんど過去問から出題されるので、過去問を完璧にしておけば大体得点できます。
本番は時間との勝負なので、計算問題をすぐに、早く、正確に解けるまで完璧に仕上げましょう。

②弱点克服のレジュメ作成

レジュメは自分の弱点をすべて克服するつもりで作成してください。過去問を3回転しても理解していない部分は確実に自分の弱点です。私の場合はA4サイズのノートで10ページぐらいにまとまりました。

私は以前公務員試験を受験したとき、やみくもに過去問だけをこなしてなかなか点数につながりませんでした。レジュメ作成してから急に得点できるようになったので、今までの試験でうまくいかなかった人におすすめの方法です。

CFP不動産のポイント

CFP不動産の勉強のポイントをいくつかご紹介します。

マンション建設による経常損益や剰余金計算

賃貸マンションの経常損益、剰余金の計算問題はほぼワンパターンです。何度も何度も解いて短時間で正確に解けるまで勉強しておきましょう。

不動産投資に関する現在価値と不動産価格

複利現価率など係数が少々複雑な問題ですが、これもワンパターンです。電卓の使い方、ミスなく最後まで計算する力が必要です。何度も解きましょう。

土地更地価格の計算

想定整形地等から更地価格を算定する計算問題もワンパターンのはずでしたが、2020年11月の試験では応用編が出ました。

私は丸暗記タイプでしたので応用についていけず、大問を失点しました。このように本番では過去問演習では解けない問題も必ずあります。

過去問にない出題はほとんどの人が失点するので、過去問以上の勉強をする必要はありません。

暗記項目

不動産評価手法、不動産の広告内容、宅建業法、登記事項証明書などの暗記項目は、すべて勉強するとキリがありません。過去問に出ていた部分だけに集中して、すべて完璧に覚えましょう。

容積率、建ぺい率の制限

容積率の制限の問題は、計算式が問題文に表示されていることがあります。落ち着いて計算式に当てはめたら解けるので、過去問に慣れて確実に得点しましょう。
建ぺい率も基本の数字を暗記しておけば計算自体は簡単です。暗記部分を頭に叩き込みましょう。

不動産の譲渡や税金関連

不動産の譲渡の特例や税金関係は数字の暗記がかなり細かくなります。ノートに書くなどして細かい数字をしっかり覚えるしかありません。

借地権の交換の計算

交換の計算は難しそうに見えますが計算方法はわりと単純です。交換の理論をしっかり理解することも得点につながります。

借地借家法

借地借家法は暗記がややこしいので、自分で表を作ってノートに書き込みました。参考書にも表になっていることがあるので、自分用にシンプルに書き換えると暗記しやすいです。

等価交換方式の計算

等価交換方式の計算問題で、出資割合の計算なども単純なワンパターンが多いです。とにかく計算方法を暗記して、計算ミスをしないよう何度も過去問を解きましょう。

最新地価動向など

国交省の「地価公示結果の概要」など最新地価動向はチェックしておくとプラス1点が取れるかもしれません。私は国交省のページをダウンロードしてスマホですぐ読めるようにしておきました。

当日のCFP不動産試験の様子

私は大阪在住で、CFP不動産の試験は大学でした。前回のCFP試験のNTT研修センターと違って机が狭かったです。

不動産の試験は計算がほとんどで、時間は全然足りません。迷ってる暇もありません。しっかり時計を見ながら早め早めに解く必要があります。

解けない問題は潔く捨ててください。1問に時間をかけるのは致命的です。とにかく最後まで解いて得点もれがないよう努力してください。

受験当日の持ち物

試験当日の持ち物は、前日に必ず用意してください。気持ちの余裕が合格につながります。
持ち物の一例を紹介します。

  • 受験票
  • 身分証明書
  • 電卓
  • シャーペン&芯
  • 消しゴム
  • 鉛筆(マークシート用)
  • 腕時計
  • レジュメ
  • Suicaなど交通切符
  • 財布
  • ハンカチティッシュなど
  • 軽食

マークシート方式なので、鉛筆の方が書きやすいです。

試験会場に時計はありませんので、必ず持参しましょう。時間勝負の不動産は時計なしでは合格できません。

CFP不動産本番の問題の解き方

私なりの試験本番の解き方を紹介します。

①時計を見ながら時間配分して解く

本番で時間内に全問解くために、時間配分しながら解き進めます。1時間経過時点で最低でも30問解けてないとヤバイという感覚で進めます。
2時間の中で50問解いて、さらにマークシートへの記載、見直し時間も必要です。

②分からない問題は「?」マークつけて見直し

解答に迷った問題は後で見直しできるよう、?マークをつけておきます。迷ってる暇がないのでとりあえず最後まで解くためです。

止まらず最後まで解いたら、余った時間で見直します。
見直しできないパターンも想定して、とりあえずどれでもいいから直感で選んだ選択肢にマルしておきます。

③終了10分前にマークシート記入

マークシートへの記入は最後にまとめて行います。その方がマークミスが減るからです。
マークしながら軽く答えの見直しもしてください。

翌日の答え合わせがしやすいように、自分がどの選択肢で解答したのか分かるようにはっきり印をしておいてください。私は選択肢に矢印をつけています。

④最後まで見直し

さらに余った時間で問題の見直しをします。最低限マークの転記の見直しは1~2分で済むので必ずしてください。最後までスピード感を持って、早く正確に終わらせる意識が必要です。

CFP不動産の合格発表

試験翌日の10時から日本FP協会ホームペーシで解答速報が見られます。翌月の合格発表を待たず、自己採点の結果で大体合否が分かります。

不動産の試験が終わった時はあまり自信はありませんでしたが40点と、思いの外高得点でビックリしました。

まとめ

CFPははじめての受験だとかなり難易度が高く感じられると思います。私も最初の頃はとても難しく、受かる気がしませんでした。

しかし1度受験したあとは「勉強法を間違えなければCFPは必ず合格できる」と感じています。

CFPは過去問の理解度が合否を左右します。あれこれ手をつけず、とにかく過去問だけを完璧にマスターすれば絶対に合格できるシンプルな試験です。

徹底的に過去問を制覇して合格を勝ち取ってください。

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