FP2級を独学で取得したのはまだ私が国税専門官として現役で働いていた時です。
うろ覚えなのですが、当時はファイナンシャルプランナーの資格がもてはやされていて国税庁長官の意向で国税専門官のFP2級資格取得が奨励されていました。(資格を取ったらお給料が上がるというわけではありません)
積極的に資格を取ったというよりは職場に言われて何となく取ったのですが、当時4ヶ月の長女の育児をしながら独学1ヶ月でFP2級を取ることができました。
私は決して頭の良いタイプではありませんがなんとか一発合格です。
【準備編】FP2級の受験の準備
FP2級の受験資格を確認
まずしたことはFP2級の受験資格から調べて自分が該当するか確認しました。
私が受験した金融財政事情研究会(きんざい)のFP2級の受験資格は以下のようになっています。
- 3級技能検定の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
FP2級の受験資格「実務経験」とは?
FP2級を一般の人がいきなり受験をすることはできません。
ただFPに関する実務経験の条件が整っていれば2級の受験資格があります。
私も実務経験ありとして2級から受験したのですが、当時疑問だったのは「国税専門官の仕事ってFP2級の受験資格の実務経験に該当するの?」という点です。
私は当時国税専門官として税務調査などをしていました。ネットで調べても分からなかったのでとりあえず無理やり実務経験ありとして記入し、FP2級の受験申込をしてみました。
国税専門官もFP2級の実務経験OK
数日後にはちゃんと受験票が届いたのでラッキー!という感じでした
。意外と本部は適当なのか、それとも国税専門官は立派なFP実務経験として認められているのかどちらかは分かりません。
日本FP協会か金融財政事情研究会(きんざい)どっちで受ける?
もう1つ私が疑問だったのは、同じFPの資格でも主催しているところが2団体あってどっちで受けるのが良いかと言う点です。
おそらく今ではほとんどどちらも同格だとは思いますが、私もその辺りは未だによく分かりません。もし今受けるならそれぞれの試験日程と会場、受験費用の違いで受けやすい方を選ぶと思います。
準備するのにかかった費用
準備するのにかかった費用は約3,000円。
FP2級の参考書 1500円ぐらい
FP2級の過去問題集 1500円ぐらい
書店で参考書と問題集をそれぞれ一冊ずつ購入した費用です。
私が購入したのはTAC出版というところの参考書。
TAC出版の本はイラストなどもついていて私のように頭が良くなくて活字が苦手な人でも分かりやすいので正解でした。
安価なのも好きです。
FP2級の合格まで勉強した時間
私がFP2級に合格するまでにかかった勉強期間は約1ヶ月。状況によりますが最低限1か月は確保することをおすすめします。
当時は現役の国税専門官でしたが育児休暇中で初めての育児に奮闘していた時でした。
当時長女は生後4ヶ月で、まだ自分で動き回ったりはしなかったので比較的勉強しやすかったです。
育児中のため机に向かって真剣に勉強したというよりはほとんどソファに座って長女を抱っこしながらなのでそんなにガリガリ勉強したわけではありませんでした。
FP2級って実は簡単?
育児しながら1ヶ月しか勉強しなかったと書くと意外とFP2級て簡単なの?と思われるかもしれません。
でも私の場合は国税専門官だったので税金の知識は最初からありました。これはかなり有利で、3分の1ぐらいの内容は最初から理解していることになります。
FP2級の勉強に必要なもの
- 参考書&過去問題集
- 電卓
FP2級に必要なのはこれだけです。
先ほど紹介したとおり私が用意した参考書はTAC出版のFP2級。問題集と参考書がそれぞれ一冊ずつで、セットなので目次などすべて連携しているタイプのものです。
意外と大事なのが電卓のクオリティ。電卓ってほんとに値段で使い心地が変わるのでずっと使えるものだからある程度良いものを買うことをおすすめします。2000円出した電卓はとても使い心地が良かったです。
【勉強編】独学1ヶ月で合格したFP2級の勉強方法
実際にFP2級を勉強した手順
参考書&過去問1回転~参考書読んでじっくり
私の勉強方は、まずそれぞれのセクションごとに参考書を一通り読みます。その時点で重要なところはマーカーなどでチェックします。
ある程度頭に入ったらそのセクションに応答する過去問を解く。といった方法です。
もちろん一度読んだぐらいでは全く頭に入らず記憶力も弱いタイプなのでその時点ではほぼ理解していません。それでもとりあえずその方法で無理やり過去問題集を一冊終わらせてしまいます。
過去問2回転目~とりあえず解く
次は参考書を読まずに直接過去問を解いていきます。
分からない部分や間違えた部分は参考書に戻って内容を確認します。
この時点でもほぼ理解してない状態ではありますが、それでもあえて2回目は参考書を読まずにいきなり過去問を解くのは理由があります。
単に私が活字を読む行為が苦手ということもありますが、問題を解くというアウトプット行為により活字を追うだけより確実に頭に定着していると感じるからです。
過去問3回転目~○×印で抽出
過去問も3回転目になるとだいぶ解けるようになってきます。自分の苦手な問題もだんだん把握できるようになります。この時点で以下の設問(回答の選択肢)の頭にバツ印を入れます。
- 間違えた設問
- 分からない設問
- 答えは合っていたけど理解してない設問
ここで大事なのは各問題ごとにバツ印を入れるのではなく、必ず問題の選択肢ごとにチェックするという点です。
試験はマークシートなので4択になるのですが、過去問で出た選択肢が形を変えて次の試験に出題されるので、問題ごとではなく必ず選択肢ごとに過去問を理解しなければなりません。
受験界では超常識ではありますが、私のように勉強慣れしてない人には大事な情報だと思いますのであえてお知らせしておきます。
過去問4回転目以降~苦手部分の克服
時間短縮のためにここからは苦手な部分のみ集中して勉強します。
過去問に自分でバツ印をつけた部分のみ解いていきます。ここで間違えた時はさらにバツ印をつけていくと自分が特に苦手な部分があぶり出されるので、徹底フォーカスして何度も解いて克服します。
最終仕上げ~記憶の定着化
苦手な部分がある程度マスターできたら再度1からすべての過去問を解きます。すると前は完璧だったはずの問題を間違えたりもします。
人の記憶力は曖昧なので一度覚えても忘れます。あえてリセットしてすべての問題を1から解いて自分の理解度を再度確認します。
試験直前の勉強方法
この時点でほぼ過去問マスターということになり、合格はかなり近くなっていました。
わりと試験までの残り時間に余裕があったのでただ過去問を全て繰り返し解いていただけです。問題を解くスピードも上がっているので過去問1周するのも早かったです。
本来は時間があれば市販の直前対策や予想問題集などを解くといいのかもしれませんが、FP2級でそこまでする必要はないかなと思います。やはりなんだかんだ「過去問を解く」のが最重要です。
試験本番に間に合わない人のための勉強方法
試験まで時間がなく苦手克服が済んでない場合は、苦手部分のみノートに自分でまとめて眺めるのは効果的です。私はCFPの科目受験をこれで乗り切ることができました。
きれいにまとまっていなくても、とりあえず暗記したい点を殴り書きで書いて試験本番直前まで眺めてみてください。私はCFP受験のとき、当日の休憩1時間でノートを作ってギリギリセーフ滑り込みで暗記しました。
1日どのくらいFP2級の勉強をしたか?
私は1カ月間、1日約5時間を勉強にあてました。平日のみで土日はやりません。
赤ちゃんのお世話をしながらで元々集中力もないタイプなので凝縮すると1日2~3時間ぐらいかもしれません。試験前だけ勉強時間を増やしたりもしませんでした。
何度も言いますが税金の知識は元からあったので、何の知識もない人はこれでは勉強時間は足りないと思います。
【試験編】FP2級の試験本番の雰囲気や直前の過ごし方
FP2級の試験会場の雰囲気
いよいよ本番のFP2級試験会場は大学の講堂でした。広々していて受験生もたくさんいます。私はそもそもFP2級を受けることに何のプレッシャーもなかったので(合格するぞ!とは思っていましたが)緊張することもありませんでした。
緊張タイプの人はせめて服装をゆるい感じにするとリラックスできます。
余談ですが当日の試験より大変だったのが生後4ヶ月の長女のお世話です。試験はほぼまる一日がかりで、長女をそんな長時間夫に預けるのは初めてでした。
結局車で会場近くに待機してもらい、休憩時間ごとに長女を見に行って乗り切りました。
FP2級の試験直前の過ごし方
お腹鳴るかも!とか考えると試験に集中できないのでおやつは持っていくことをおすすめします。ちなみに私は試験前にアルフォートを食べました。シャーペン、消しゴム、鉛筆はそれぞれ何個かあると安心です。
電卓は質の良いものを準備しましょう。
私はわりと過去問を仕上げていってたので直前に何かを眺めたりはしませんでしたが、本来はノートのまとめを作ってそれを眺めておくのが一番理想的な過ごし方だと思います。
FP2級の試験の実際の内容
試験内容はやっぱり過去問が中心でした。過去問の応用みたいな感じの内容です。
とりあえず時間との勝負なので分からない問題は?マークをつけておいてどんどん解いていきます。
時間が余ったら分からない問題を解き直します。ちなみに金融財政事情研究会(きんざい)は計算用の白紙を別でもらえました。
マークシートへの記入は残り15分時点
マークシートへの記入は試験時間残り10~15分の時点でまとめてやりました。
その方が効率的でマークミスも減るような気がするからです。ちなみに国税専門官を受けた時もこの方法でした。
マークシートに記入しながら軽く問題の見直しも同時にします。
最後はマークミスがないかどうか2回ほど確認して、さらに余った時間で不安な問題を再確認しました。
【合否発表編】FP2級に合格してよかったことや反省点
最近の資格試験は合格を待つまでもなく、翌日の解答速報で合否がほぼ把握できます。
私は自己採点で合格が分かっていたので安心でした。マークミスも完璧にチェックしていたのもよかったです。マークミスの確認が甘いと自己採点で合格しても発表まで気が抜けません。
FP2級に合格して良かったこと
正直FP2級を取ってみて、すぐに状況が変わるということはありませんでした。
公務員だったので給料も変わらないです。ただ職場でFP2級の取得が奨励されてからすぐに取得したのもあって上司に褒められたり…その程度です。
でもあとになって国税専門官退職後の自分の仕事につながったり、今はCFPの資格に挑戦してみたりと、何につながるか分からないのが資格だなと思います。
社内FPという生き方
民間の会社だと資格でお給料に影響するところもあるみたいですし、社内FPとして今までとは違う形で会社に貢献する人もいるようです。
先日会社員をしながらFPの資格を取ってそのまま社内FPになった人のお話を聞いたのですが、これまでと違って会社に媚びない、依存しない生き方ができるようになったと言っていて刺さりました。
やはり資格を取るのも大事ですが活かし方も重要だと感じています。
もっとこうすればよかったと思う反省点
合格したから結果オーライですが、私が当時使ったFPの参考書は買った時期が悪くて直近1回分の過去問が含まれていませんでした。
これが意外と致命的で、直近で出題された新しい分野の問題をまるまる1問落としてしまいました。しかも学科の方ではなく実技の方で、1問の配点が高くギリギリ合格となってしまいました。
直近の過去問はネットでも公開されているので手持ちの参考書に含まれていない場合は必ず確認が必要で、独学のデメリットでもあります。
FP2級の勉強方法まとめとこれから受験するあなたへ
過去問を解く
FP2級の勉強は最初はかなり難しく感じると思います。
でも結局やることはひとつで、諦めずに過去問を解くことです。続けていれば必ず合格できる資格だと思います。
頭の良い人は別として、スクールに通う人も独学派も最終的にはいかに過去問を解いたか?で合否が分かれます。
目標をもって取り組む
参考書を開いて「私には無理だ…」と思わずに、ぜひトライしてみてください。私も最初はそう思ったけど、こうしてちゃんと合格できましたので。