住宅ローン

住宅ローン借り換えで失敗しないタイミングはいつ?デメリットや注意点も解説

住宅ローンの借り換えについて気になっている人はいませんか?

金利がお得になる可能性があることは分かっていても、明確なメリットが分からないと実際に契約を進めることは難しいでしょう。

一方で、借り換えることが絶対にお得とは限りません。
デメリットを把握しておかないと、借り換えることでかえって損する可能性もあります。

そこで今回は、住宅ローンを借り換えるメリット・デメリットを解説します。

住宅ローンの借り換えを検討している方の参考になれば幸いです。

FP監修者
森本 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)CFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。

失敗しない住宅ローン借り換えのタイミングは?

先に述べた通り、一般的に住宅ローンの借り換え効果が期待できる目安は以下の3点です。

  • ローン残高が1,000万円以上
  • 残存返済期間が10年以上
  • 金利差が1.0%以上

これらの3つの条件に当てはまる方は、借り換えを検討されてもいいということになります。

この3点のうち、注目すべきは「金利差」です。

今後の金利動向というものは、専門家でも予想が難しい項目です。ましてや一般の消費者についてはまず不可能といってもいいでしょう。「今後金利が上昇するから今の内に借り換え」をとは言いますが、そのタイミングを図るのは非常に困難です。

場合によっては思い切りも必要でしょう。2021年現在、金利動向は新型コロナウイルスの影響もあり、非常に読みにくいものとなっています。

住宅ローンの借り換えに対しての諸費用なども考慮し、ローン残高が多いほど、残存期間が長いほど、借り換えを検討するのも一つの考えでしょう。

借り換えのタイミングのひとつとしては「固定金利終了時」も挙げられます。

現在の住宅ローンを固定金利で組まれている場合、その固定期間が終了するタイミングで借り換えを検討するのです。

ただし実際に借り換えで契約適用となる金利は、「借り換え時の金利」となります。

事前にシュミレーションを行っていたとしても、実際の借り換え時の金利が変更されているケースも全くないとは言えませんので注意しましょう。

住宅ローン借り換えのデメリット

  1. 諸費用が発生する
  2. 手続きが煩雑

①諸費用が発生する

借り換えを行うと、数々の諸費用・手数料が発生します。

新しく借入れする住宅ローンに対する手数料だけを見ても、以下のような支払いが必要です。

  • 保証料
  • 事務手数料
  • 抵当権設定費用
  • 印紙税

保証料は数十万円、ほかの費用はそれぞれ数万円の費用が発生します。

さらに、新しく借り入れたローンで、現在の住宅ローンを完済する際にも費用が発生することも忘れてはいけません。

「繰り上げ返済手数料(完済)」で1~3万円前後がかかります。
さらに、設定された抵当権を抹消する「抵当権抹消登記費用」で2万円前後が必要です。

②手続きが煩雑

住宅ローンの借り換えは、手続きが複雑になります。

借り換え先の銀行で新しく住宅ローンを組むための審査があるため、住民票や所得証明書を取得したり自宅を購入した際の資料を準備したりといった手間が発生します。

一方で、ローンを完済する側の銀行にも足を運ぶことも必要になります。繰り上げ返済の申し込みなどの手続きのためです。

さらに、引き落としに利用する金融機関の手続きも必要です。
現在の引き落としは元から借りていた銀行に設定されているはずですが、借り換え後は新しく借り入れる銀行の口座からの引き落としに変更になります。

勤務先に連絡して給与振り込み口座の変更を依頼するほか、公共料金やクレジットカードの引き落とし口座の変更が必要になる可能性もあります。

もし勤務先の都合で口座を変更できない場合、毎月給与が振り込まれるたびにお金を移動する手間が発生することもあります。

住宅ローン借り換えのメリット

  1. 返済総額を減らすことができる
  2. 有利な金利に切り替えることができる
  3. リフォームローンを一緒に借りられる
  4. 魅力的な保障がついてくることもある

①返済総額を減らすことができる

なぜ、わざわざ住宅ローンの借り換えを行うのでしょうか。それなりのメリットがなければいけないですね。

最たるメリットは「住宅ローンの返済額を減らせる」ことでしょう。

住宅ローンの残高や残存期間にもよりますが、今よりも低い金利の住宅ローンに借り換えることで住宅ローンの返済総額を大きく減らせる可能性があります。

②有利な金利に切り替えることができる

今の金利タイプ(固定・変動)に関係なく、10年や20年固定という長期間の固定金利への変更も可能です。

現在、日本は歴史的な低金利が続いています。長期固定金利でも1%台の低金利で借り換えできるケースが増えているのです。

例えば「変動金利を選択していて将来の金利上昇に不安を感じている人」であれば、固定金利に借り換えるメリットがあります。

変動金利は今よりも金利が下がる可能性がある一方で、市中金利の動向次第では金利が上がってしまうリスクもあるためです。

長期固定金利に借り換えをしてしまえば、将来の金利上昇リスクを抑えることができます。

③リフォームローンを一緒に借りられる

新築であっても、10~20年も経てばリフォームが必要になる場所も出てくるはずです。
家を建てた時に30代~40代の健康体であっても、50~60代になると段差を超えることが大変になることもあるかもしれません。

もし自宅のリフォーム検討中であれば、住宅ローンの借り換えのメリットはさらに大きくなります。

リフォームローン単独の金利は2%以上かかるのが一般的です。

借り換えに合わせてリフォームローン資金と一本化して借り入れれば、固定金利でも1%台になることは珍しくありません。

低金利な住宅ローンで、リフォーム資金を準備することができるのです。

④魅力的な保障がついてくることもある

住宅ローンを借りる際は、団体信用生命保険に加入するのが一般的です。
死亡した場合や高度障害で返済が不可能になった場合に返済が免除されます。また、それ以外の保障として「3大疾病保障特約」を付けられることもありました。

現在では保障がさらに充実し、8大疾病や全疾病を保障したり、配偶者のがんまで保障したりといった手厚い内容の団体信用生命保険が登場しています。

最新の団体信用生命保険に魅力を感じて、借り換えを検討する人も多くおられます。

住宅ローンの借り換え注意点

住宅ローンの借り換えで注意しなければいけない点については、これまで述べた「諸費用負担」「審査」「住宅ローン控除」の他にも、いくつか考えられます。

  1. 将来的な住み替えは?
  2. 早期完済の可能性

①将来的な住み替えは?

将来的に現在の持家を売却し、別の家に住み替えるといったライフプランを検討される方もおられるかもしれません。その際には「あと何年住めば借り換えの効果を得られるのか」を考える必要があります。

借り換え後、すぐに住み替えを行うと、せっかくの手間をかけて借り換えを行ったメリットを十分得ることができないこともありますので、じっくりと検討する必要があります。

②早期完済の可能性

例えば「退職金で早期完済」を検討している場合も、借り換えのメリットを十分受ける前に完済するケースもあります。その他の臨時収入などは、なかなか計算できませんが、住宅ローンの返済へ充当した場合、同様のケースもあるでしょう。

このように借り換えは、今後のライフプランなどをよく考え、家族の意向なども加味しながら慎重に検討するようにしましょう。

住宅ローン控除が適用されなくなる可能性も

住宅ローン控除は、正式名称を「住宅借入金特別控除」と呼びます。
一定要件を満たす場合に所得税等の控除が受けられる制度です。

住宅借入金特別控除の対象であった住宅ローンを借り換えたことで完済までの期間が短縮になる場合に、住宅ローン控除が適用外になることがあります。

その理由は住宅ローン控除の条件を見てみると分かります。新築住宅を購入する場合には、次の条件を満たさなければいけません。

  • 減税を受けようとする人自身が、住宅の引渡し日から6ヵ月以内に居住すること
  • 特別控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 対象となる住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること
  • 対象となる住宅に対して10年以上にわたるローンがあること
  • 居住用にした年とその年の前後2年ずつを合わせた計5年間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていないこと

引用元:国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

完済までの期間が10年を切る場合、住宅借入金特別控除の対象から外れてしまうのです。

住宅ローン控除が適用されないことで、借り換えしてもメリットが感じられなくなることがあります。

金利差だけでなく、住宅ローン控除がなくなるかどうかも考慮して損得の計算が必要です。

なお2021年12月現在、住宅ローン控除の見直しが政府で行われています。今後、控除額や対象期間も異なることが予想されますので注意しておきましょう。

住宅ローンの借り換えにも審査がある点に注意

魅力的な住宅ローンを発見して借り換えを検討する場合、あらためて審査を受ける必要があることを覚えておいてください。

住宅ローンの契約時には審査を通過できたとしても、新しい銀行の審査を通過できるとは限りません。

年収は現行のローン審査の時と同等だとしても、過去のローン返済が遅れてしまっているなどの「事故情報」が記録されている場合は審査の通過は難しくなります。

どれだけ良いローンであっても、審査に通過できない以上は利用できません。

このような事態を防ぐため、大切になるのが「返済を遅らせないこと」です。
これは住宅ローンだけの話ではありません。

たとえば「クレジットカードのキャッシング」「カードローン」あるいは「スマートフォンの本体代金の分割返済」など、いわゆる「後払い」に関する遅れは全て住宅ローンの審査に関係すると思っておきましょう。

日常生活で借りたお金は、どれであっても期日までに必ず返済するようにしてください。

住宅ローンの借り換えで確認すべき事項

残高・残年数

住宅ローンの借り換えでは、「ローン残高」と「残年数」のチェックが欠かせません。
あくまで一般的なケースとして、借り換えがお得になるのは「ローンの残高が1,000万円以上」あるいは「残年数が10年以上」の人です。

借り換えには諸費用が発生するため、残高が1,000万円を下回ったり残年数10年を下回ったりする人はかえって損になる可能性があります。

借り換え前と後の金利差

借り換えをするのは「ほかに良い条件のローンが見つかる」ことが前提です。
借り換えを検討する以上、現在のローンとの金利差から損得を考える必要があります。

こちらも一般論ですが、借り換えでお得になる金利差はおおむね「1%以上」です。

残債が多い場合は、ほんのわずかな金利差でもお得に感じることがあるかもしれません。
しかし、1%未満のわずかな金利差では諸費用を考慮するとメリットがほとんど感じられない場合があります。

年1%以上の金利差があるのかを基準に、借り換え先のローンを絞り込みましょう。候補を絞り込むことで、借り換え先の選定がスムーズになることも期待できます。

変動金利を選択した人の注意点

住宅ローンの金利には「固定金利」「変動金利」の2種類が存在します。

もし現在の金利タイプが変動金利の場合、すぐに借り換えしないほうが良いこともあります。金利見直しのタイミングで市場金利が下がると住宅ローン金利も下がるためです。

変動金利での契約では今より安いからといってすぐに契約するのではなく、見直し時の金利を確認してから借り換えをしても遅くはありません。

住宅ローンの変動金利は半年に一回といった短いスパンで見直しされる商品もあります。

住宅ローンの借り換えとは?

住宅ローンの借り換え」とは、現在利用している住宅ローンを別の金利の低い住宅ローンに乗り換えることです。より低い金利の住宅ローンで、以後の利息負担を少なくするということです。

住宅ローンの借り換えが可能なのは、原則「他の金融機関」での取引となります。現在利用している金融機関で魅力的な住宅ローンプランがあったとしても、原則的には借り換え対象とはできません。

ただし「フラット35」については、取扱金融機関の住宅ローン商品への借り換えが可能となっています。

借り換え専用のローンを選択してお得に借り換えができる

金融機関の多くは、借り換えと新規の住宅ローンを分けて取り扱っています。

借り換えであっても新規の住宅ローンと同じ金利を適用する場合と、借り換え専用の金利を適用するケースに分かれる点は注意が必要です。

借り換え専用の金利の場合、新規で借り入れよりも低い金利に設定していることがほとんどと言っても良いでしょう。

特にネット銀行では住宅ローンの借り換えに力を入れていることもあり、都市銀行や地方銀行よりも低金利でお得に借り換えができる可能性があります。

新規と比較した引き下げ幅は「0.05%/年」程度が一般的です。
そうした借り換え専用のローンを利用することで、借り換えによるお得度はさらに大きくなるでしょう。

さらに、民間銀行ローンだけでなく「フラット35」も借り換えが可能です。
対応する民間ローンからの借り換えのほか、他の金融機関で借りているフラット35からの借り換えもできます。

住宅ローンの借り換えで失敗しないために

住宅ローンは借入金額も高額で、長期に渡って返済していくローンです。そのため多くの方は「より低い金利に借り換えたい」と考えるものです。街中で金利の低い住宅ローンの宣伝を見かけると、すぐに借り換えしたいと考える方もおられるかもしれません。

しかし借り換えには諸費用が発生する他、申込手続きを経て審査に合格する必要があります。負担や手間のかかる借り換えは慎重に検討しなければいけません。

安易に手続きしてしまい、自分でも思いもかけない失敗を招くこともあります。よくあるケースとしては「借り換えにより住宅ローン控除を受けれなくなった」という失敗です。

  • 今後のライフプランは?
  • 諸費用負担の目安は?
  • 借り換えによりどれだけのメリットが出るのか?

自分で考えるのが難しい方は、金融機関担当者などの専門家に相談して、じっくりと検討しましょう。

まとめ

今回は住宅ローンの借り換えのメリット・デメリットを解説しました。

1%以上の金利差がある、あるいは10年以上の返済期間がある場合は借り換えによって返済総額を大きく圧縮できる可能性があります。

一方で、「事務手数料や抹消登記などの費用が発生する」「住宅ローン控除が適用されなくなる可能性がある」などのデメリットもあります。

金利差は大切ですが、デメリットを加味して総合的に損得を計算することが必要です。

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