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住宅ローン控除とは?住宅ローンの控除条件や改正点をわかりやすく解説

マイホームは人生で一番の買い物です。新生活が楽しみである反面、高額の住宅ローンに不安を感じる方も多いでしょう。

そこで注目すべき制度が「住宅ローン控除」です。税金が優遇される制度をしっかり理解して、少しでも負担を少なくしていきたいものです。

ここでは複雑な住宅ローン控除の制度内容をわかりやすく解説していきます。また2022年以降の制度改正点のポイントも見ていきましょう。

FP監修者
森本 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)CFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。
このページの概要
  1. 住宅ローン控除とは?
  2. 住宅ローン控除適用要件(住宅の種類別)
  3. 住宅ローン控除適用のローン等の条件
  4. 住宅ローン控除で戻ってくる税金はいくらになるの?
  5. 他の特定との関係にも注意
  6. 住宅ローン控除を受けるための手続きとは?
  7. 住宅ローン控除手続きの必要書類
  8. 新築・中古住宅の住宅ローン控除の9つの条件
  9. 中古住宅の住宅ローン控除の3つの追加条件
  10. 2022年度税制改定による変更点とは?
  11. まとめ

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる税制制度の通称です。

ローンを利用してマイホームを購入した方は社会経済に貢献している一方、ローンの返済も生活に影響してくる、そこで税金を優遇してあげましょう、という制度です。

控除」とは住宅購入時に本来納めるべき税金から差し引かれることを意味します。このことから「減税」と同じ意味合いとなります。

その内容は「最大10年間、住宅ローンの年末残高もしくは住宅の取得対価のうちいずれか少ない方(※)の金額の1%が所得税から控除される」というものです。

(※)通常は住宅ローンの残高が住宅の取得対価を上回ることはまずありませんので、基本的に住宅ローン控除の対象は「住宅ローンの年末残高」となります。(以後の説明も基本的に「住宅ローンの年末残高)として行います)

住宅ローン控除適用要件(住宅の種類別)

住宅ローン控除の適用を受けるには、一定の条件を満たす必要があります。まずは住宅の種類別の違いを見てみましょう。

取得する住宅が新築なのか中古なのか、増改築のようなリフォームなのかでそれぞれ内容が異なります。

新築住宅購入の場合の適用要件

  1. 減税を受けようとする人自身が、住宅の引渡し日から6ヵ月以内に居住すること
  2. 特別控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  3. 対象となる住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること
  4. 対象となる住宅に対して10年以上にわたるローンがあること
  5. 居住用にした年とその年の前後2年ずつを合わせた計5年間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていないこと

※国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」より抜粋

中古住宅購入の場合の適用要件

中古住宅の場合で注意しなければいけないのが「耐震基準」です。その物件の建築時期によっては、現在の耐震基準を満たしていない場合があります。

そのため、中古住宅は新築住宅の適用条件に加えて、「一定の耐震基準を満たしていること」が条件となり、次の基準のいずれかをクリアしなければいけません。

  1. 住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得していること
  2. 耐震基準適合証明書を取得していること
  3. 既存住宅売買瑕疵保険に加入していること
  4. 築年数が一定年数以下であること(木造の場合は20年以下、耐火建築物の場合は25年以下)

※国税庁「No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」より抜粋

リフォーム・増改築の場合の適用要件

リフォームや増改築の場合は新築住宅の適用条件の他に、次のいずれかの工事に該当していることが必要です。

  1. 増改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模な模様替え(壁・柱・床・はり、屋根または階段のいずれか1つ以上)の工事
  2. マンションの専有部分の床、階段または壁の過半についておこなう一定の修繕・模様替えの工事
  3. 家屋・マンションの専有部分のうちリビング、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床、または壁の全部についておこなう修繕・模様替えの工事
  4. 耐震改修工事(現行の耐震基準への適合)
  5. 一定のバリアフリー改修工事
  6. 一定の省エネ改修工事

※国税庁「No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」より抜粋

あわせて、これらの工事費が100万円を超えていることも条件となっています。

工事費100万円のなかには、住宅ローン控除の適用を受ける工事と一体性があれば、設置費用や設備機器の購入費用も含めることができます。

たとえば「1階の水回りリフォーム時に2階のクローゼットを新たに追加工事した」という場合は、2階部分の工事費は「一体性がない」とみなされ、住宅ローン控除の対象とはなりません。

リフォームや増改築の適用要件はかなり複雑ですので、住宅ローン控除の利用を検討する場合、できれば専門家に相談することをおすすめします。

住宅ローン控除適用のローン等の条件

次に、住宅ローン控除の対象となるローン等の適用条件を見てみましょう。以下のすべての条件を満たす必要がありますのでひとつづつ確認してください。

  • 適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 自己居住用の住宅とその敷地取得のための借入れで、一体として借入れられたものであること
  • 返済期間が10年以上あること
  • 借入れは次の6つのいずれかからのものであること
  1. 銀行
  2. 農協・信用金庫・信用組合
  3. 住宅金融支援機構
  4. 地方公共団体
  5. 各種公務員共済組合
  6. 勤務先(市場金利を換算して定められた0.2%以上の金利、2016年12月31日以前に居住用とした場合は1%以上)

親族や知人などの個人、親族の会社や自身が役員となっている企業からの借入金は対象とはなりません。

※国税庁「No.1225 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等」より抜粋

住宅ローン控除で戻ってくる税金はいくらになるの?

住宅ローン控除は控除期間中、原則として毎年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除される制度です。控除期間は、消費税の適用税率および居住開始期により次のようになります。

適用消費税率 8% 10%
居住開始期 2021年12月31日まで 2019年10月1日~
2020年12月31日
最大控除期間 10年間 10年間 13年間
年間控除額 年末の住宅ローン残高の1%の 年末の住宅ローン残高の1% 【1~10年目まで】
年末の住宅ローン残高の1%(最大40万円)
(最大40万円) (最大40万円) 【11~13年目まで】
「建物価格×2%÷3」または「年末のローン残高の1%」のいずれか低い金額

現在は消費税10%ですので、基本は「年末の住宅ローン残高の1%(最大40万円)」が基本となります。たとえば、年末時点の住宅ローン残高が3,000万円の場合は以下の通りです。

  • 3,000万円×1%=30万円(その年の所得税から控除できる金額)

ただし30万円全額を控除できるとは限りません。納付すべき所得税や住民税の金額により、実際に控除できる金額が違ってきます。例えば次の例で見てみます。

  • 年末の住宅ローン残高3,000万円
  • 本来納めるべき所得税8万円
  • 翌年の住民税16万円
  • 住宅ローン控除可能額:3,000万円×1%=30万円

このケースでは、本来納めるべき所得税8万円より控除額30万円のほうが大きいため、所得税の納付は不要です。

所得税から控除しきれなかった23万円分は、翌年の住民税から差し引かれますが、住民税からの控除額は上限が決まっており、前年の課税総所得金額の7%(136,500円限度)までとなります。

※居住年が2014年4月から2021年12月の場合に限る。

このケースでは、住民税から控除できる最大額は136,500円であるため、実際に控除される金額は下記のようになります。

  • 8万円+13万6,500円=21万6,500円

このように、住宅ローン控除では納めた税金以上に戻ってくることはなく、控除可能額が大きくても、その金額がすべて戻ってくる訳ではないことに注意です。

他の特定との関係にも注意

住宅ローン関連では、住宅ローン控除の他にもいくつかの特例が設けられています。

注意しなければいけないケースが、居住した年とその前後2年間(合計5年間)で、前の自宅で特定居住用財産の買換え特例や3,000万円特別控除を使っている場合です。

この場合は住宅ローン控除の利用ができない(併用が不可)となります。

特定居住用財産の買換えなどの場合、譲渡損失の損益通算および繰越控除との併用は可能となります。

しかし、譲渡損失の損益通算または損益通算の繰越控除を利用するということは、その適用を受ける年の所得税がゼロになる可能性があるということです。

そもそも、住宅ローン控除(減税)は課税されるべき所得税がなければ利用できません。つまり住宅ローン控除の対象にはなりません。

このように、住宅にかかる税制度に関しては条件や手続き方法などが複雑です。取引前に税理士などの専門家に相談して、自分の状況に最適な制度適用を考えるようにしましょう。

住宅ローン控除を受けるための手続きとは?

住宅ローン控除は確定申告の「還付申告」に該当します。そのため入居した年の翌年1月1日から申告をすることが必要です。

確定申告期間中(通常は毎年2月16日~3月15日)は税務署が混みあうため、できるだけ早めに準備をして申告をすることをおすすめします。手続きが早ければ、還付金を受けとる時期も早くなる可能性があります。

確定申告では、必要事項を準備・記載したう上で税務署に提出する必要があります。不明な点は最寄の税務署で確認するようにしましょう。

特に確定申告が初めてという場合は、書類の書き方が分からなかったり、ほかの控除も重なって混乱してしまうかもしれません。

提出する税務署は、基本的に居住地を管轄している税務署ですが、一部の地域では確定申告の会場が税務署以外の場所であることもあるため、事前に確認しておくようにしましょう。

また、郵送での提出や、国税庁のサイト上で申告書を作成して送信する方法で手続きを行うことも可能です。

2年目以降は会社員の場合は年末調整で手続きができますが、自営業の場合は初年度と同様に、書類を作成し税務署に提出する必要があります。

年末調整の場合は、給与所得者の「住宅借入金等特別控除申告書」や、住宅ローンの「年末残高証明書」を添付する必要があります。不明な点は勤務先の担当者に問い合わせておくようにしましょう。

住宅ローン控除手続きの必要書類

住宅ローン控除手続きの必要書類は、主に次の7点です。書類の不備などがあると、再提出など時間も手間も余計にかかってしまいます。不明な点は税務署に確認するなどして確実に準備するようにしましょう。

  1. 確定申告書A(第一表と第二表)
  2. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  3. 住宅ローンの借入残高証明書
  4. 勤務先の源泉徴収票
  5. 土地建物の登記簿謄本
  6. 建築請負契約書または売買契約書のコピー
  7. マイナンバーカード(本人確認書類)

新築・中古住宅の住宅ローン控除の9つの条件

住宅ローン控除の一番のポイントが「条件」です。控除を受けるための条件を一つでも満たしていないと控除を受けることができません。条件面は住宅購入前、または住宅ローン契約前に必ず確認しておく必要があります。ここでは条件面のポイントを再度確認しておきます。

①住宅ローン控除を受ける人が居住する

住宅ローン控除は、控除を受ける人本人が居住することが大前提で、その人が支払う税金の減額を目的とする制度です。当然「賃貸用住宅」や「別荘」などは対象にはなりません。例えば転勤で家族そろって引っ越しをしまい、誰かに賃貸用として貸し出すといったケースでも住宅ローン控除の対象外となります。

②12月31日までに居住する

「いつ住むか」「いつまで住んでいるのか」が住宅ローン控除の確認事項です。

  • 新築した日または購入した日から「6ヶ月以内」に居住すること
  • 住宅ローン控除を受けようとする年の「12月31日まで」引き続き居住していること

この2点を満たす必要があります。居住の確認は「住民票」で判断されます。ただし、年末に引っ越しするなどして住民票の移転が間に合わない場合は、住民票の代わりとして公共料金の請求書などで確認することもあります。

一方、例えば家の引き渡しは平成30年12月に受けたものの、「実際に住む」のが翌年の平成31年1月になる場合は、平成30年分ではなく「平成31年分の確定申告」で住宅ローン控除を受けることになります。

③住宅ローンの借入期間が10年間以上

  • 10年間以上→対象
  • 10年間未満→対象外 となります。

住宅ローンの繰り上げ返済(期間短縮)で「トータルの借入期間が10年未満」になってしまうと控除対象外となってしまいますので注意が必要です。

例えば当初の借入期間が15年だったとします。

  • 3年後に繰上返済を行い、借入期間が「3年」短縮されるケース

15年から3年間期間が短縮されたので、「トータルの借入期間は12年」です。借入期間が10年以上ですので、引き続き住宅ローン控除を受けることができます。

  • 3年後に繰上返済を行い、借入期間が「6年」短縮されるケース

15年から6年間期間が短縮されたので、「トータルの借入期間は9年」です。借入期間が10年未満となりますので、住宅ローン控除が受けられなくなってしまいます。

④勤務先からの借入の場合は0.2%以上

勤務先の借入制度を利用する場合は

  • 無金利(0%)
  • 超低金利(0.2%未満)

の場合は住宅ローン控除の対象外となります。銀行などの金融機関からの借入では0.2%未満でも特に問題ありません。

⑤親族などからの借入ではない

住宅ローン控除の目的は「住宅購入などで、金融機関から長期(10年間以上)の借入を利用すると利息の負担が大きくなるので、その負担の一部を国が補う」というものです。そのため両親や祖父母といった親族からの個人的な借入は、住宅ローン控除の対象外となります。

⑥床面積の合計が50㎡以上

不動産登記簿上の床延面積が50㎡以上(約15坪以上)であることが条件です。マンションでは階段や通路などの「共有部分」は床面積に含まれませんので注意が必要です。

⑦床面積の2分の1以上が居住用

自営業の方のように店舗や事務所と一体となった住宅の場合は、2分の1以上を「居住用」としている物件のみが対象となります。

⑧その年の所得金額が3,000万円以上

年収が多い方は住宅ローン控除を受けれません。もっとも実際にはこの金額を超える年収を確保できる方はまずおられないでしょう。

⑨居住した年の前後に他の税金の優遇措置を受けていないこと

居住した年の前後各2年間=合計5年間に、住宅の売買などを行った型は注意しなければいけません。「3,000万円の特別控除」や「10年超保有の税率の軽減」などの他の税制優遇を受けた場合、住宅ローン控除を受けることができません。

金額的にかなりの差が生じますので、どの優遇制度を利用するかは税理士などに相談するようにしましょう。

中古住宅の住宅ローン控除の3つの追加条件

中古住宅の場合は、住宅ローン控除を受けるために、新築の9つの条件に合わせて、次の3つの条件も満たす必要があります。

①年数条件、耐震基準を満たしているか

1.マンションなどの耐火建築物→25年以内に建築されたもの

2.耐火建築物以外→20年以内に建築されたもの

「耐火建築物」とは、石造・れんが造・コンクリートブロック造・鉄骨造(軽量鉄骨造を除く)・鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の建物で、建物の不動産登記簿(登記事項証明書)に記載された建物の構造で判定されます。

3.上記の建築年数に該当しない場合→平成17年4月1日以降に取得し、一定の耐震基準に適合するもの

中古住宅を購入する場合は、これらの条件を満たしている物件か不動産業者に確認するようにしましょう。

②親族などからの購入ではないか

身内などからの購入物件の場合、住宅ローン控除を受けることはできません。

③贈与による取得ではないか

贈与による中古住宅の取得も住宅ローン控除の対象外です。

2022年度税制改定による変更点とは?

2021年12月10日、2022年度(令和4年度)税制改正大綱が発表され、住宅ローン控除が大きく変わることが明らかとなりました。メディアでも大きく取り上げられ注目を集めています。主な改正点は以下の通りです。

①控除率が「1.0%→0.7%」に縮小

住宅ローン控除の控除率は2022年度税制改正により「1%」から「0.7%」に縮小します。控除率は、縮小後、2025年末まで据え置かれます。

②控除期間「13年に延長」は据え置き

住宅ローン控除の控除期間は、原則10年間です。しかし、消費税増税とその後の新型コロナウイルス蔓延の経済的影響を勘案され、2020年度、2021年度は控除期間が「13年」に延長されています。

2022年においても、この厳しい経済状況が続くことが予想されることから、控除期間「13年」は2023年まで据え置かれます。

一方、2021年度は、延長した「3年間」の最大控除額はそれまでの10年と比較して少なくなりましたが、2022年度税制改正により、控除率は13年間通して一律0.7%となります。

ただし、13年への延長は新築住宅および不動産業者が再販する消費税課税住宅のみとなります。一般の売主が売却する中古住宅は、これまで同様、控除期間は「10年」となります。

③借入限度額が「4,000万円→3,000万円」に縮小

2021年の住宅ローン控除は、長期優良住宅等を除いた一般住宅の最大控除額は年間40万円でした。借入限度額が「4,000万円」かつ控除率が「1%」であることによります。

2022年度税制改正では、控除率が「0.7%」に縮小するのにあわせて、借入限度額が「3,000万円」に引き下げられます。

つまり、3,000万円の0.7%ですので、実際の年間最大控除額は、これまでの制度の半分程度の「21万円」に縮小することになります。

借入限度額「3,000万円」は、2023年までの2年間の措置。2024年、2025年は、借入限度額が「2,000万円」とさらに縮小します。

ただし、ローン残高上限「3,000万円」というのは、省エネ基準に適合していない一般住宅のみです。認定住宅やZEH住宅等、良質な住宅は、以下のように「借入限度額」および「控除期間」において以下の上乗せ措置が講じられることになっています。

居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅 令和4年・令和5年 5,000万円 0.70% 13年
令和6年・令和7年 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 令和4年・令和5年 4,500万円
令和6年・令和7年 3,500万円
省エネ基準適合住宅 令和4年・令和5年 4,000万円
令和6年・令和7年 3,000万円

〇表2:令和4年度税制改正大綱より

また、消費税が課税されない中古住宅の取得、あるいは住宅の増改築における借入限度額は「2,000万円」とし、控除期間も「10年」となります。ただし、中古の認定住宅等一定の省エネ性能を満たした住宅においては、借入限度額が「3,000万円」、控除期間は同様に「10年」となります。

④所得制限が「3,000万円以下→2,000万円以下」に引き下げ

住宅ローン控除には、所得制限が設けられています。2021年は、控除を受ける年の合計所得金額が「3,000万円以下」と規定されていましたが、これが「2,000万円以下」に引き下げられます。

また、床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅については所得制限が「1,000万円以下」となります。

➄中古住宅の築年数要件が緩和

2021年までは、住宅ローン控除は以下の一定の築年数を下回る中古住宅にしか適用されませんでした。(耐震性を証明する書類がある場合を除く)

・木造:20年
・耐火構造:25年

この点について、2022年度税制改正により「昭和57年以降に建築された住宅=新耐震基準適合住宅」に緩和されます。対象物件について書類による証明なしで対象とできるようになります。

⑥住民税からの控除上限額が引き下げ

住宅ローン控除は、原則的に所得税から控除される制度です。ただし、所得税から控除しきれない分は住民税からも「一部」控除されます。

この住民税の「一部」についても、2022年度税制改正で以下のように引き下げられます。

<住民税からの控除上限額>

  • 2021年:13.65万円/年(前年度課税所得×7%)
  • 2022年~:9.75万円/年(前年度課税所得×5%)

なぜ改正されるのか?

住宅ローン控除の制度については、かねてから縮小の議論がされていました。もともとマイホームを購入する方の金利負担軽減を目的として導入された制度が住宅ローン控除です。しかし近年の超低金利ににより、実際の金利負担より控除額のほうが多いという現象が生じていました。いわば「逆ザヤ」の状況となっており、住宅ローンを組んだほうが得するという状況にもなっていたのです。

この問題点を是正するために2022年度税制改正で大きなテコ入れが行われたのです。

また今回の改正点では「住宅の性能により控除額に差を生じさせる」ものとなっています。世界的なカーボンニュートラル実現を日本も求められている中、住宅分野においても省エネ性能の向上が求められています。そのため、2022年度税制改正では、良質な住宅に対して「上乗せ措置」を講じる対策が行われました。

いつから適用されるのか?

税制改正は、基本的に新年度より施行となります。すなわち住宅ローン控除の改定を含む2022年度の税制改正が適用となるのは原則的に2022年4月1日からとなります。

ただし、住宅ローン控除については1月1日時点に遡って控除されるようになる見通しです。2022年に入居された方は2023年の確定申告で住宅ローン控除の申請をすることとなりますが、2022年4月1日以前の入居でも2022年以降の入居であれば今回の税制改正による住宅ローン控除の要件が適用となります。

「税制改正大綱」は2021年12月10日に発表されました。この大綱に沿って税制改正案がまとめられ、年明けの通常国会に提出される見通しです。今後の流れにも注意していきましょう。

まとめ

住宅ローン控除は、計算方法などが複雑に感じますが、住宅ローンを利用する方にとっては大きなポイントとなる制度です。今後の長期に渡る返済負担を少しでも軽減するために、十分その趣旨を理解しておく必要があります。近年は制度改定に見られるように、制度の内容も都度変更されていきます。最新の制度をしっかりと理解しておくことも重要です。

しかもいったん住宅を購入し、住宅ローンを契約してしまうと、後には戻れません。後から後悔しないように、不明な点は金融機関担当者や税務署、税理士などに確認するようにしましょう。

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