クレジットカードには本会員の家族に対して発行する「家族カード」というものがあります。
家族カードとは、本会員のカードを「親」として「子カード」を発行するものです。
一定の制限はありますが、子カードには審査は不要ですし、いちいち現金で小遣いを渡すよりも便利です。
おすすめの家族カードを特徴別に比較
①各社の申込条件一覧
クレジットカードの保有者が配偶者や子供などに家族カードを持たせることには様々なメリットがあります。
ただし、家族カードにおける家族の定義はクレジットカード会社によって異なります。
籍を入れていて同姓・同居であって本会員の支払いに問題がなければ、ほとんどの場合でスムーズに家族カードは発行しらもらえます。
ただ、事実婚や同性パートナーというのも近年では増えており、そういったケースでどうなるのか心配になることもあるでしょう。
主なクレジットカードの家族カードの申込条件は以下のようになっています。
クレジットカード | 家族カードの申込条件 |
---|---|
JCBカード | 本会員と生計を同一にする配偶者・親・18歳以上の子供(高校生を除く) |
アメックス | 原則として配偶者・両親・18歳以上の子供 |
楽天カード | 原則として生計を同一にする配偶者・両親・18歳以上の子供 |
三井住友カード | 生計を共にする配偶者、満18歳以上の子供(高校生を除く) |
オリコカード | 本会員と生計をともにする18歳以上の人で、配偶者(別姓、同性パートナーを含む)、両親、子供(高校生を除く) |
dカード | 本会員と生計を共にする満18歳以上(高校生を除く)の配偶者・子供・両親 |
UCカード | 本会員と生計を同一にする配偶者、親子で同性かつ18歳以上 |
イオンカード | 生計を共にする18歳以上(高校生を除く)の家族 |
セディナカード | 満18歳以上(高校生を除く)の同性で同居の家族 |
ダイナースカード | 本会員の配偶者、両親、18歳以上の子供 |
ジャックスカード | 本会員と生計を共にする同居かつ同性の配偶者、子供(高校生を除く)、両親 |
JALカード | 本会員と生計を共にする配偶者、両親。18歳以上(高校生を除く)の子供 |
ANAカード | 本会員と生計を同一にする配偶者、両親、18歳以上の子供(高校生を除く) |
エムアイカード | 本会員が指定した配偶者、子供(高校生を除く18歳以上)、両親 |
UCSカード | 生計を共にする配偶者、親、子供(高校生を除く18歳以上) |
ビューカード | 本会員と生計を共にする同姓の配偶者、両親、子供(高校生を除く18歳以上) |
②楽天カードはポイントをカード間で移行できる

基本の考え方
楽天カードは「ポイントがたくさん貯まるカード」として定着しており、ユーザー数も日本で最も多いカードです。基本的には家族カードで買い物をすると、ポイントは本会員のカードに合算されます。
楽天e-NAVIを使って移行する
家族カードのポイントを移行する手順は以下の通りです。
- まず家族カードを楽天e-NAVIに登録する。
- ポイントを送る側が、楽天e-NAVIの「お申込み」(携帯ならサービスのお申込み)から「家族でポイントおまとめサービス」を選択する。
- 「移行申請ポイント」「楽天スーパーポイント移行先」「ご本人様確認(ポイント移行先会員のカード裏面の数字下3桁)」を入力して申し込む。
ポイント移行の注意点
ポイント移行の申請ではいくつかの注意点があります。
- 移行先の会員が楽天e-NAVIに登録していないと移行できない。
- 楽天e-NAVIがメンテナンス中は移行申請ができない。
- 50ポイント未満だと移行できない
- 1ヶ月の移行の上限は1万ポイント。
- ポイントの以降は申請から3日以内。
- 期間限定ポイントやキャンペーンなどで獲得した期限付きポイントや楽天グループから交換したポイントは移行できない。
③アメックス家族カード1枚ごとに限度額設定可能

豪華な付帯サービスがあり、カードのステイタス性も抜群に高いことで知られるアメリカン・エキスプレス・カードは、家族カードでも同じ特典が受けられます。
年会費はかかりますが、「アメックス・ゴールド」の家族カードは1枚目の年会費は無料です。
また、アメックスでは家族カードの利用限度額を1枚ずつ自由に事前に設定できるサービスを追加し、2021年4月13日からサービス開始しています。
会員専用サイトの「オンライン・サービス」から各家族カード、追加カードの利用限度額を1万円以上から1円単位で設定できて、金額変更も随時行うことができます。
管理機能は本会員のみが利用できるので、家族や利用者ごとに限度額を決めて使いすぎを防ぐことができます。
たとえば留学などで離れて暮らす家族への仕送り代わりや現金での小遣い代わりに家族カードを活用できます。
③JCBカード「スターメンバース」は家族カード併用がおすすめ

JCBカードには「スターメンバース」というサービスがあります。カードの利用額に応じて特典が付与されるというサービスです。カードを利用すればするほどメリットが増えるのでJCBをメインカードとしている人なら、ぜひ覚えておきたいサービスです。
このメンバーシップはJCBの「オリジナルシリーズ」と呼ばれるプロパーカードを利用し、一定の条件を満たすと自動的にメンバーになれます。
様々な条件や付与の注意点もありますが、「集計期間中の利用合計金額が上がるごとにランク分けされ、ランクアップするとポイントの還元率がアップする」という点が重要です。
たとえば、JCBゴールドの会員が年間100万円以上をカード利用するとポイント還元率が20%アップします。
ここで威力を発揮するのが、「集計は本会員と家族会員の合計」であるという点です。
年間100万円というと、相当の金額を使う感覚になりますが、公共料金の支払いをカード払いにして、夫婦・子供でカード払いをしたり、日常の買い物をカードで支払ったりして毎月8万4000円以上を使えば達成できます。
④「auペイカード」ゴールドカードは家族カード利用でお得に

「auペイカード」は携帯キャリアの「au」が発行するクレジットカードで、様々な特典が受けられるお得なカードです。
元からauユーザーにはお得に使えるカードでしたが、2020年12月からゴールドカードにさらに特典が加わることが発表され、2021年2月に開始しました。
- auの携帯電話などの通信料金の11%のPontaポイントの還元
- 「auPAY」マーケットの購入金額の8%(最大17%)、「auでんき」利用料金の3%(最大11%)、都市ガスfor au利用料金の3%のPontaポイント還元
- ゴールドカードを利用して「auPAY」残高にチャージすると2%のPontaポイント還元
さらに、家族カードを持っている場合には、家族のau携帯電話の通信料金の11%のPontaポイントを1年間還元する「家族カードキャンペーン」を実施します。
⑤イオンカードゴールドは本カードも家族カードも年会費無料

イオンカードは数あるクレジットカードのなかでも際立った特徴のあるカードです。
というのも、一般カードの年会費が無料というだけではなく、「ゴールドカードの年会費も無料」だからです。他社にはない特殊なカードと言えます。
ゴールドカードは「インビテーション」と呼ばれるやり方で加入します。これは条件を満たした人にカード会社から招待されて加入できるというものです。
イオンカードでは「直近の年間利用金額が100万円以上」になるとゴールドカードへのインビテーションが届きます。一般的なゴールドカードと同等の特典が付帯しているのに、年会費無料で持つことができます。
年間の利用額100万円は1回だけ達成するだけでゴールドに昇格できます。
イオンカードのゴールドに昇格すると、家族カードもゴールドになります。つまり、本会員も家族会員も「まったく維持費をかけることなくゴールドを持つことができる」ということになります。
⑥「dカード」はゴールドで家族カードを作るとお得

dカードは還元率が常に「1%」以上あるという高還元率で知られたカードです。発行がドコモで、ドコモユーザーに様々な特典が用意されています。
dカードもゴールドカードには注目すべき特典があります。それは「ドコモ料金の支払いで10%のポイントが還元される」という点です。一般カードにはこの特典は付帯しません。
dカードでは本会員カード1枚につき、家族カードを3枚まで作ることができ、年会費は1枚目が無料、2枚目、3枚目は1枚1000円かかります。
dカードゴールド本会員と3枚の家族カードを作ると、家族4人分の携帯代金がポイント還元の対象となります。
- 自宅のインターネット通信費に毎月5000円
- 家族4人それぞれの携帯料金が毎月5000円×4人
以上が特典対象となれば、年間3万ポイントが獲得できます。年会費を差し引くと1万8000ポイントもプラスになります。
dカードゴールドは家族会員でも「3年間最大10万円のケータイ補償」「海外旅行最高1億円・国内旅行最大5000万円補償の旅行保険」が付帯します。
⑦コストコグローバルカードは家族カードを作ると最強

倉庫型大規模マーケット「コストコ」のヘビーユーザーという人もいるでしょう。
入店の際にメンバーシップカードが必要な会員制スーパーですが、すべて大容量の商品で、大家族ならお得に利用できて休日の楽しみという人も多くいます。
コストコはMastercardと提携して「コストコグローバルカード」というクレジットカードを発行しています。年会費は初年度無料、2年目からは1375円ですが、年に1回でもカード決済があれば2年目以降の年会費も無料となります。
このコストコグローバルカードでも家族カードを発行することができます。年会費は無料で、作れるのは1枚限りです。
「生計を共にする配偶者(別姓・同性パートナーを含む)か、満18歳以上の子供(高校生を除く)、両親」であれば家族カードを作ることができます。
コストコグローバルカードでは「リワードポイント」というポイントが貯まりますが、これはコストコの利用で還元率1.5%、他の利用で1.0%と高還元率です。
本会員と家族会員の2枚でコストコグローバルカードを使うと、1年間で相当のポイントが貯まります。「隠れた高還元率カード」と言えるでしょう。
⑧PiTaPaには子供向けカードがある?

関西地方を中心に使われている交通系ICカードのPiTaPaには「家族カード」があります。
利用した分が本会員名義の口座からまとめて引落になる家族向けカードです。満18歳以上の家族には一般家族カードが発行されます。
PiTaPaがユニークなのは、「小中高生向けのジュニアカード・キッズカードがある」という点です。
ジュニアカード
キッズカード
首都圏を中心に利用されるSuicaにも小学生向けはありますが、「中高生向け」はありません。PiTaPa独自のサービスと言えるでしょう。
【PiTaPaキッズカード】
- 小学生対象
- 1年間に1回もPiTaPa機能の利用がないときには維持管理料1100円が必要
- 小学校へ入学予定年の3月1日から申し込める
- 子供が駅の改札機を通過した情報を保護者の携帯電話にメール配信するサービス「あんしんグーパス」が利用できる
【PiTaPaジュニアカード】
- 中学生、高校生の子供が対象
- 1年間に1回もPiTaPa機能の利用がないときには維持管理料1100円が必要
- 小学校卒業予定年の2月1日から申し込める
- 満18歳の2月1日以降に一般家族カードが送付される
- 「あんしんグーパス」が利用可能
家族カードとは?
家族カードとは、「クレジットカードの契約者である本会員の家族に対して発行されるカード」を指します。家族カードを作っておくと、たとえば自分の配偶者や両親、子供が利用できるカードが作れます。
家族カードでは、本会員と同じ種類のカードが発行されます。本会員がゴールドカードなら家族会員もゴールドカードになり、本会員に付帯されているサービスも同様のものが提供されます。
たとえば、本会員のカードに海外旅行傷害保険やショッピング保険が付帯されていたら、基本的に家族会員にも同じ内容のサービスが受けられます。家族が旅行中にケガをしたり、破損事故を起こしてしまった場合に保険が適用されます。
家族カードでは、毎月の支払額は本会員が登録している支払口座に本会員と家族会員の利用分がまとめて請求されます。
家族カードの利用限度額は、本会員の利用限度額の範囲内と同じというケースが大半です。本会員の限度額が100万円のとき、本会員と家族会員がそれぞれに100万円使えるというわけではなく、本会員と家族会員の利用合計額が100万円までとなります。
また、家族カードも本会員のカードと同様に「名義人しか使えない」という規約になっています。たとえば、配偶者と両親が家族カードを利用する場合には、配偶者用に1枚、父親用に1枚、母親用に1枚の計3枚の家族カードを作ることになります。
家族カードのメリット
- 現金を持ち歩く必要がない
- 家計管理に便利
- ポイントが貯まりやすい
- 年会費が安上がり
①現金を持ち歩く必要がない
家族カードの大きなメリットは、たとえば子供にもたせる場合に、現金を持ち歩く必要がないという点です。ある程度の年齢に達した子供は自分のためや友達、両親などのために買い物をするようになりますが、そのときに現金を渡して買い物してくるようにすると、盗難などのリスクが生じます。
家族カードを持たせればそうしたリスクを軽減できます。
②家計管理に便利
複数のカードを持っていると、その月に家族でいくら使ったのか複数の明細を確認する必要が生じます。その点、家族カードで使われたお金は本会員の利用分と一緒に引落になるので、利用明細をひとつにまとめることができ、家計管理がぐっと楽になります。
③ポイントが貯まりやすい
家族カードでもポイントは一般のクレジットカードと同様に貯まります。家族カードの利用分のポイントは本会員にまとめて付与されるので、1人で貯めるよりも早く、効率よくポイントが貯まります。
④年会費が安上がり
家族カードは、同種のカードを通常の申し込みで持つよりも、年会費が格段に安くあがります。たとえば、JCBゴールドでは本会員の年会費は1万1000円ですが、家族カードの年会費は1人目は無料、2人目以降は1100円と10分の1にまで下がります。受けられるサービスはまったく同じであるため、かなりお得と言えるでしょう。
夫婦でバラバラのクレジットカードを持つよりも家族カードを活用したほうが年会費の負担は軽減できます。
子供が持つ家族カードのメリット
多くの家族カードは「年齢18歳以上」から申し込みが可能です。これは子供が大学に進学するときに家族カードを持たせることができることを意味します。
現金の場合、家計簿をつけるという習慣がない限り、自分のお金の使い方を客観的に理解するのは難しいでしょう。特に学生のうちは、親からの仕送りもつい無自覚に使ってしまうこともあり得ます。
そこで仕送りの代わりに子供へ家族カードを渡せば、子供自身がパソコンやスマートフォンで簡単に明細を確認することができ、お金の管理能力を高めることができます。支払いは親の口座に請求されるので、子供の使いすぎに気づくこともできます。
また、クレジットカードは原則として「高校生を除く満18歳以上」ですが、海外留学など海外でカードを利用するという場合には中学生を除く満15歳~18歳の子供の家族カードを申し込むことができます。使い慣れていない現地通貨の不便さを回避できますし、現金を持ち歩く必要もありません。長期の留学であるほど、残高の心配がいらない家族カードがあると便利です。
配偶者が持つ家族カードのメリット
現在は、夫婦での共働きというケースが増えています。夫婦で別の銀行口座とクレジットカードを持っているというケースも多いでしょう。ただ、これだと引落がバラバラになって、全体の利用額が把握しにくくなってしまいます。生活費の実態が見えにくいため、将来に向けての貯蓄などの計画を立てるのも困難になります。
そこで、生活費の口座と個人用の口座を分けて、生活費の口座には一定の金額を入れておきます。この口座のカードと家族カードを作って夫婦それぞれが持つようにすると、夫婦が別々に買い物をしても1つの明細にまとめることができて、支出が明確に見えます。明細がそのまま家計簿にもなります。無駄な出費がないかチェックできて、節約にも役立ちます。
一方で、個人的な買い物や支払いは、それぞれが持つ個人名義のクレジットカードで行うようにすると、お互いに個人明細を知られることもありません。家族のプライバシーは守りながら、上手に家計管理ができます。
「家族カード」が作れるケース・作れないケース
年齢制限
家族カードは基本的に「高校生を除く18歳以上」というのが発行の条件となります。ただ、高校生で18歳未満だとしても、留学が目的なら家族カードの発行が可能です。
もしどうしても高校生に「家族カード」を持たせたいという場合にはデビットカードを持つという方法もあります。デビットカードなら中学生を除く15歳以上または16歳以上を利用条件としています。また、プリペイドカードなら13歳から申し込むことができます。
付き合っている彼女
ほとんどのカード会社で家族カードの発行が可能なのは一親等までとなっています。ただ、家族カードを「自分の彼女」「彼氏」に発行できるカード会社もないわけではありません。
実は、アメリカン・エキスプレスが発行するクレジットカードは家族カードの発行基準を設けていません。自己責任の範囲内であれば誰にでも家族カードの発行ができます。苗字が異なっており、同居しているわけでもなく、血縁関係も婚姻関係もない人に対しても家族カードを発行することができます。
同棲している内縁関係
上記と同様、アメリカン・エキスプレスでは同棲している内縁関係の人に対しても家族カードを発行できます。
アメリカン・エキスプレスの発行基準が他のカード会社と異なる理由はこの会社が文字通り「アメリカのクレジットカード会社」だからです。アメリカは日本以上にクレジットカード社会で、家族構成も多様な国であることから家族の概念を幅広く取っているからです。
また、楽天カードとオリコカードも、家族カードを発行する対象として「別姓のパートナー」でも含むとしています。
兄弟
一般に家族カードは「家族に発行できるクレジットカード」ですが、ここで言う家族は「一親等」までとなります。一親等とは、本会員から見て「親」「配偶者」「子供」です。その他は二親等以上になるため、家族カードの発行ができません。
- 発行可能:親、配偶者、子供
- 発行不可能:兄弟姉妹、いとこ、叔父など
同性パートナー
近年では家族の多様性が重視されています。日本でも同姓のパートナーを正当な関係とみなす動きは年々顕著になりつつあります。
上記に挙げたアメリカン・エキスプレス・楽天カード・オリコカードは同姓のパートナーに対しても家族カードを発行できます。楽天カードは「生計を同一にするパートナーであれば申込可能」とサポートページにもはっきりと記載されています。
家族カードのデメリット
- 利用限度額の共有
- クレジットカードヒストリーが育たない
- 利用明細が発覚する
①利用限度額の共有
家族カードは本会員と利用限度額を共有しているため、自分勝手にカードを使うことができないというデメリットがあります。
利用限度額は通常、本会員と家族会員を合わせて設定されます。個別に設定されるわけではありません。そのため、たとえば限度額100万円で本会員が90万円使ってしまったら、家族会員は10万円しか買い物ができません。
②クレジットカードヒストリーが育たない
家族カードは、返済義務が本会員にのみ発生します。そのため、家族は支払いに関与しないで良いというメリットがありますが、これは逆に家族会員には「クレジットカードやローンの利用履歴であるクレジットヒストリーが育たない」というデメリットがあります。
クレジットヒストリーは、その人の金融の利用履歴のことで、これが良好であるほどクレジットカードなどの金融関連の審査で有利になります。家族会員である限り、この人は「まったくクレジットカードを利用したことがない人」という扱いに変わりません。
③利用明細が発覚する
家族会員にとって、「クレジットカードを何の支払いに使ったか知られたくない」というときもあるでしょう。そういったとき、家族カードは使いにくくなってしまいます。子供にとっては後から親に「これは必要ない買い物ではないか」などと指摘されるのは精神的にも辛いでしょう。
三井住友カードの場合は、インターネットサービス「Vpass」に登録すれば、家族会員と本会員のパスワードを別々に設定できるので、Web明細を分けることができます。
一般的な家族カードの作り方
本会員が家族カードの発行を申し込む
家族カードはクレジットカードの「追加カード」と呼ばれるもので、申し込みは本会員が行います。手順はカード会社によっても異なりますが、一般的には以下のように申し込みます。
- 本会員がカード会員サイトにログインする。
- 家族カードの申し込みページに進む。
- 必要事項を入力する。
- 家族カードが発行され郵送で届く。
家族カードの審査はどうなる?
家族カードは本会員の信用に基づいて発行されるため、通常の審査はなく、必要事項を申告すれば発行可能です。そのため、たとえば専業主婦や無職の人にも発行されます。
ただ、最低限の審査やチェック事項はあり、たとえば本会員のカード利用状況もチェックされます。返済期日に何度も遅れたことがあるとか、他社の支払いで遅れているなどといった場合には、審査通過できないこともあります。
家族本人が原因で審査落ちする?
本会員がカードを持っていれば、家族カードはほとんどのケースで審査に通ります。とはいえ、もしその家族自身がそのカード会社と過去に返済トラブルなどがあったときに、本会員には信用があっても家族が審査に落ちてしまうことはあり得ます。
発行しようとしている配偶者がそのカード会社で支払いの延滞や強制解約などを起こしてしまったことがあるときには、審査落ちすることがあります。注意しましょう。
家族カードの使い方
①ポイントはどうなる?
クレジットカードでは基本的に家族カードのポイントは本会員のポイントと合算されます。そのため、家族カードの発行は個別にポイントを貯めずに効率よく貯めていきたいときに向いています。
ただし、楽天カードなど一部のクレジットカードでは、いったん本会員に合算されても、後から家族会員に移行することができるものもあります。
ポイントを効率よく貯めるには、たとえば固定費をすべてクレジットカード払いにするという方法があります。家族なら、スマホ代などの通信費をクレジットカード払いにするとポイントの還元分お得になります。子供の部活にかかる機材や服飾費などをクレジットカード払いするのも良い方法です。
また、小さな支払いでもクレジットカード払いにしたり、電子マネーのチャージにもクレジットカードを使うようにすると、ますますポイントが貯まります。
②家計簿代わりになる明細
本会員も家族会員も、買い物をクレジットカードで済ませるようにすると家計の管理の手間が軽減されます。
クレジットカードを使えば利用明細をカード会社で作成するので、明細を見るだけで何にいくら使ったのか簡単に把握できます。
公共料金やスマートフォン料金など、毎月の支払いもクレジットカードにまとめると分かりやすくなります。手書きで家計簿をつける手間が省けて、ほとんどの支払いを管理できます。Web明細ならスマートフォンやパソコンで確認できて、必要なら印刷もできます。
家計簿は毎月の支出と収入を把握するために書くものです。毎月の収入も支出も変化します。必要なものを買ったり、交際費に使ったりすると普段より支出が多い月もあれば、ボーナスなどの臨時収入で家計がうるおうときもあるでしょう。
家計簿をつけていれば収支が赤字になったときにすぐに分かり対策を立てやすくなります。
カード会社によってはカード利用明細を合わせて家計簿のように使える機能を提供しているところもあります。
楽天カードやauペイカードなどは家計簿アプリも提供しており、使いやすく便利です。
③家族カードでのETCカードの注意点
通常、どのクレジットカードでも「ETCカード」を付帯させることができ、これは家族カードでも変わりません。1枚の本会員カードまたは家族カードにつき1枚のETCカードを発行することができます。
注意したいのは、ETCカードは利用規約によって「個人間での貸し借りは禁止」という点です。家族間であっても貸し借りはできません。
家族で良くあるケースとして、学生などの若い家族が父親のクレジットカードに付帯したETCカードで有料道路に乗って運転することがあります。これは厳密には規約違反です。
ETCカードは原則として本人名義のカードのみの利用となるので、自分で発行しなければ使うことができません。ところが、ETCカードを発行するためにはクレジットカードを作る必要があるので、結局は親カードとなるカード会社に家族カードの発行を依頼するしかありません。
家族カードを子供や配偶者に持たせたくないが、ETCカードは発行したいという場合には、高速道路会社が発行する「ETCパーソナルカード」に申し込む必要があります。
④家族カードだけ引落口座を分けられる?
一般的にクレジットカードでは、本会員の口座が家族カードの引落口座になります。配偶者や子供にクレジットカードを使わせたいときには家族カードを発行して、親カードの持ち主の名義の銀行口座を使って引落をします。
ただ、「妻や子供に家族カードをもたせたいが、自分が使う分の代金は自分で支払わせたい」と考える人もいるでしょう。お金の使い方・使わせ方は家族それぞれの考えがあり、子供のカードの支払いも子供自身がすべきという家族もいるでしょう。
ほとんどの家族カードの利用代金は本会員の口座から引落すると公式サイトにも明記されています。
【家族カードの利用代金を本会員の口座から引き落としすると明記しているカード】
ただ、ごく一部ですが、家族カードの引落口座を別々に分けられるカードも存在します。
三井住友カードゴールド

本会員年会費 | 1万1000円 |
---|---|
家族カード年会費 | 1枚目無料、2枚目以降1100円 |
申込資格 | 原則として30歳以上で本人に安定継続収入がある |
家族カード | ・生計をともにする配偶者、満18歳以上の子供(高校生除く) ・パーソナルアカウントタイプの場合、本会員の配偶者または満20歳以上で自身に安定した収入のある子ども、両親 |
三井住友カードの定番ゴールドである「三井住友カードゴールド」では、「パーソナルアカウントタイプ」を選択すれば家族カードの引落口座を分けることができます。ただし、一般的なクレジットカードと同じような審査が必要です。ただし、本会員がゴールドカードの審査に通過しているので、それほど厳しい基準は適用されないと推測されます。
JCBカードゴールド

本会員年会費 | 1万1000円 |
---|---|
家族カード年会費 | ・1枚目無料、2枚目以降1100円 ・支払い型家族カードは1枚3300円 |
申込資格 | 原則として20歳以上で本人に安定継続収入がある |
家族カード | 生計をともにする配偶者、満18歳以上の子供(高校生除く) |
家族カードを申し込むときに、「JCBゴールド利用者支払型家族カード」を選択することで、本会員カードと家族カードの引落口座を別々に分けられます。カード利用によって貯まる「Oki Dokiポイント」も本会員と家族会員で別になります。
⑤暗証番号は本会員と同じ?
家族カードを発行する際に「暗証番号」をどうするのか疑問に思う人もいるでしょう。暗証番号が本会員と同じのときには、万が一本会員の暗証番号が漏洩してしまったとき、家族カードまで不正利用されてしまう恐れがあります。
そのため、家族会員の暗証番号は、本会員とは別に設定することになっています。初期設定の段階で暗証番号を登録しますが、このときに本会員も知らない番号を家族会員本人が責任を持って設定しましょう。
ここで問題になるのが、家族会員が暗証番号を忘れてしまうケースです。「家族カードを作ったはいいが、あまり使う機会がなく、久しぶりに使おうとしたら暗証番号を忘れていた」という事態は頻繁に発生します。
楽天カードなどでは「お客様専用Webサイト」から暗証番号を確認できるようになっていますが、ほとんどのクレジットカードでは暗証番号の確認は書面での郵送です。
たとえば、JCBカードでばクレジットカードに記載してあるコールセンターに電話をして、その後書面で暗証番号を教えてもらうという流れになっています。
⑥家族カードの解約方法は?
「家族カードを作ったがあまり使わなかった」「子供のために家族カードを作ったが、本人が自分で新たにクレジットカードを申し込むことになった」などの場合、家族カードの解約をしましょう。
家族カードは本会員カードに付属する形で発行されるものですので、本会員がその後カードを使うかどうかに関わらず解約することができます。
多くのクレジットカードで、解約は電話連絡によって行います。解約の際には「名義人本人が手続きをする」ことが必要ですので、注意しましょう。カード会社によっては、本会員が連絡をして家族カードを解約できるものもあります。
家族カードを解約する際には、たとえば公共料金などの支払いを別の方法に変更しておいたり、ポイントやチャージ残高が失効に注意したりすることが必要です。
特に気をつけたいのが、学生のうちは家族カードを使っていた人が自分の名義でカードを作るケースです。アパートの家賃やガス・水道などの料金を家族カードで支払っていたら、こういった支払いも新しいカードに移行させる必要があります。うっかりしていると解約したカードから引落ができないために「滞納」になってしまうことがあるので注意しましょう。
よくある質問
家族カード固有の利用可能枠の設定はありません。本会員と共通の利用可能枠内で利用できます。あくまで本会員の枠内での利用となるので注意しましょう。一部のクレジットカードでは、家族カードのみで設定も可能です。
本会員のクレジットカードを解約すると、付帯カードである家族カードも同時に解約となります。本会員がカードを解約する際には、家族カードの利用状況も把握してからにしましょう。
通常、家族名義のETCカードを発行することができます。ETCカードは「名義人以外の利用は規約違反」となるため、家族がETCカードを使って運転したいという場合には必要になります。
カードにもよりますが、基本的には同姓以外の家族カードの発行はできません。本会員と生計を共にする18歳以上の同姓の家族に限ります。アメックスなどは別姓でも発行可能です。
もし生計を共にする家族であっても、兄弟姉妹に家族カードは発行できません。あくまで配偶者か親、子供という「一親等の家族」に限ります。本会員の兄弟や姉妹は申し込めません。