楽天銀行や楽天カードと連携することで、大量のポイント還元を受けることができる楽天証券。
最近ではポイント制度の改定が相次ぎ、利用者からは「改悪」と評価されてしまっているのも事実です。
楽天証券の今後のポイント還元制度の変更点や、変更後の制度の仕組み、よりポイント還元率の高い証券口座へ移管を行う場合のおすすめ口座を紹介します。
楽天証券のポイント制度が改悪?2022年の主な変更点
楽天証券では2022年4月と9月にポイント制度が大きく変更となります。
いずれもこれまでのポイント還元率からは大幅に下方修正される変更のため、これまでもらうことができていたポイントが少なくなってしまうのが注意点です。
投資信託残高への毎月のポイント付与が廃止に
楽天証券ではこれまで、楽天銀行のハッピープログラムを利用することで、投資信託の保有額に応じて毎月ポイント還元を受けることができました。
しかし2022年4月以降は毎月のポイント還元がなくなります。
4月以降は残高が初めて一定額に到達した場合に限り、一度だけポイントが付与される形に変更になります。
2022年3月まで | 2022年4月以降 |
毎月月間平均残高10万円ごとに3~10ポイント | 月末時点の残高が特定の金額に到達した際に10ポイント~500ポイントを1回限り付与 |
ハッピープログラムを利用したポイント付与の最高額は2000万で500ポイントです。
毎月条件金額を一つずつ達成したとしても、合計で2090ポイントしかもらうことができません。
もし複数の条件を一緒に達成した場合は、高い方の金額のポイント還元のみ受けることが可能です。
ポイント制度の変更時は「2022年3月末時点の口座残高」が基準となります。
よって、3月末時点で保有額が2000万を超えている人は、ポイント還元を受けることができません。
10万到達時の10ポイント | 受け取ることができない |
---|---|
30万到達時の30ポイント | 受け取ることができない |
50万到達時の50ポイント | 受け取れる |
楽天証券のSPU条件が変更に
楽天には、楽天の関連サービスを利用することで、楽天市場利用時のポイント還元倍率が上がるSPU(スーパーポイントアップ)があり、従来は投資信託の利用で+1倍の恩恵を受けることができました。
しかしこちらも2022年4月以降は条件が変更となり、投資信託・米国株式の2つの投資で条件を達成することで、ポイント還元倍率が最大+1倍になります。
2022年3月まで | 2022年4月以降 |
楽天ポイントコースの設定と500円分以上のポイント投資達成でポイントが+1倍 | 月間合計30,000円以上のポイント投資(投資信託)でポイントが+0.5倍※ |
月間合計30,000円以上のポイント投資(米国株式※円貨決済)でポイントが+0.5倍※ |
※楽天ポイントコースとマネーブリッジの設定が必要
2つの条件は併用することができるので、変更前と同様のポイント倍率を維持することも可能ですが、そのためには6万円以上の投資が必要になります。
新たに米国株式を行う場合、為替手数料・売買手数料がかかることもあるため、ポイント還元倍率が+0.5倍になることで得られるポイントよりも、手数料の方が高くなってしまう可能性もあります。
投資信託購入時のポイント還元率引き上げ

楽天証券では「楽天カード」を利用した投資信託の積み立て購入時の還元率が0.2%に引き下げられていましたが、2023年6月買付分から還元率が引き上げられました。
楽天カードが0.5%、楽天ゴールドカードは0.75%、楽天プレミアムカードなら1.0%のポイントが還元されます。
楽天カードと楽天キャッシュを併用することで毎月10万円の積立がポイント還元の対象になります。
変更後の楽天証券のポイント還元の仕組みと還元率
各種制度が変更のなった後の楽天証券の主なポイント還元制度は、ハッピープログラム・投信積立・超割の3種類になります。
ハッピープログラム
楽天銀行のサービスである「ハッピープログラム」を利用すると、楽天証券で取引した投資信託分のポイントが付与されます。
10万円 | 10ポイント |
---|---|
30万円 | 30ポイント |
50万円 | 50ポイント |
100万円/200万円/300万円/400万円/500万円 | 各100ポイント |
1000万円/1500万円/2000万円 | 各500ポイント |
※それぞれ月末時点の残高が初めて到達した場合に1回限り
ハッピープログラムの利用には、楽天銀行の口座とマネーブリッジ(楽天証券との口座連携サービス)への申し込み、ハッピープログラムへのエントリーが必要です。
投資信託の取引は、ハッピープログラムのステージの基準となる取引件数にはカウントされないため注意しましょう。
投信積立
投信積立でポイント還元を受ける場合、以下の2つの方法に分かれます。
- これまで通り楽天カードで決済する方法
- 2022年8月買付分から新たに利用可能になる楽天キャッシュ決済を使用する方法
楽天カードで決済する
楽天カードで決済して投信積立をする場合は、積み立てた銘柄に応じてポイントの還元率が異なります。
代行手数料※が年率0.4%以上の銘柄 | 購入額の1.0%をポイント還元 |
---|---|
代行手数料※が年率0.4%未満の銘柄 | 購入額の0.2%をポイント還元 |
※信託報酬のうち楽天証券に支払う手数料
楽天キャッシュで決済する
楽天カードから楽天キャッシュへチャージを行うと、0.5%のポイント還元が受けられます。
そのため楽天キャッシュを経由して投信積立を行うことで、通常の楽天カード決済よりも高い還元率でポイントを受け取ることが可能です。
また楽天キャッシュでは2022年12月買付分まで0.5%のポイント還元を受けられるキャンペーンが実施されるため、従来の楽天カード決済と同様の1.0%ポイント還元を受けることができます。
2022年8月買付分~2022年12月買付分 | 最大1.0%還元(楽天カードから楽天キャッシュへのチャージで0.5%+キャンペーン適用で0.5%) |
---|---|
2023年1月買付分以降 | 0.5%還元 |
株式取引(超割)
楽天証券での株式取引では、手数料コースを超割コースにすることで、かかった手数料の1.0%のポイントを受け取ることが可能です。
ポイント還元の対象
- 国内株式取引
- 外国株式取引
- 先物・オプション取引
- 海外先物
- 金・プラチナ取引
ポイント制度が変わる楽天証券から投資信託を移管する方法
楽天証券から他の証券会社へ投資信託を移管する場合は、書面による手続きが必要です。
- 楽天証券にログインし、「投信口座振替依頼書」をダウンロード
- 「投信口座振替依頼書」を印刷し、必要事項を記載
- 本人確認書類と一緒に楽天証券に郵送
- 手続きが完了すると移管先の口座に情報が反映される
手続きの完了までには、楽天証券に書類が到着してから2週間程度、最長1ヶ月かかります。郵送での手続きとなるため、手続きを完了したい期日がある場合には、スケジュールに余裕を持って対応しましょう。
- 投資信託の出庫には1銘柄あたり3,300円(税込)がかかる
- 移管中の銘柄は投資信託の取引ができない
- 移管先に同じ銘柄がないと移管できない
- NISAで購入した投資信託は移管できない
楽天証券からの移管で特に注意が必要なのは、移管にかかる手数料と移管先の取り扱い銘柄です。
移管にかかる手数料については、全額負担してくれる証券会社もあるため、費用負担を抑えたいなら手数料全額負担制度のある証券会社を選ぶのがおすすめ。
移管先の投資信託の取り扱い銘柄数が少ない場合は、楽天証券で取引していた銘柄がない場合もあるので、移管先を選ぶ際には、取り扱い銘柄の数や種類を確認しましょう。
NISA口座でこれまでに購入した投資信託については移管することができませんが、今後NISAを利用する証券会社を変更することは1年ごとに可能です。楽天証券でNISA口座・特定口座のどちらも利用しているなら、まずは特定口座を他の証券会社へ移管し、翌年からNISA口座を移管する手続きを行いましょう。
ポイント還元率で選ぶ!楽天証券からのおすすめ移管先
楽天証券から他の証券会社へ投資信託の移管を行う場合は、ポイントの還元率の他にも移管にかかる手数料負担や取り扱い銘柄数に注意する必要があります。
証券会社 | 楽天証券 | SBI証券 | 松井証券 | auカブコム証券 | マネックス証券 |
投資信託の銘柄数 | 2,662銘柄 | 2,635銘柄 | 1,582銘柄 | 1,527銘柄 | 1,239銘柄 |
投信積立で もらえる ポイント |
楽天ポイント | Vポイント | 松井証券ポイント | Pontaポイント | マネックス ポイント |
投資信託の 保有額に応じた ポイント還元 |
最大 500ポイント (1回限り) |
最大年率 0.25% (毎月) |
信託報酬率を 元に計算 (毎月) |
最大年率 0.24% (毎月) |
最大年率 0.08% (毎月) |
投信積立の 購入額に応じた ポイント還元 |
一部銘柄を 除き0.2% |
最大2.0% | なし | なし | 1.1% |
投信移管 手数料の 証券会社負担 |
なし | SBI証券が 手数料を 全額負担 |
松井証券が 手数料を 全額負担 |
なし | なし |
※2022年2月22日現在
各証券会社の還元率や取り扱い銘柄などを比較すると、ポイント還元を利用してお得に投資をするなら、SBI証券への移管がおすすめです。

投資信託銘柄数 | 2,635銘柄 |
---|---|
ポイント | 株式投資など:Tポイント、Pontaポイント、dポイント(2022年5月~) クレジットカードでの投信積立:Vポイント |
NISA/つみたてNISA | ○ |
iDeCo | ○ |
IPO | ○ |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate |
投信積立でポイント最大2.0%還元!
三井住友カードを使用して投信積立を行うと、最大2.0%のポイント還元を受けることができます。
投信積立でもらえるポイントはVポイントになりますが、クレジットカード利用額への充当や、他のポイントへの移行が可能になっています。また1ポイントあたり0.7ポイントにはなりますが、Vポイントを楽天ポイントへ移行することも可能です。
平均保有金額に応じた毎月のポイント還元もあり!
SBI証券には投資信託の保有額に応じた毎月のポイント還元があります。ポイント還元率も通常銘柄で最大年率0.25%と他社と比較しても高く、こつこつと積み立て行くだけで還元額が増えていきます。
通常銘柄 | 最大0.2% |
---|---|
SBIプレミアムチョイス銘柄 | 最大0.25% |
その他指定銘柄 | ファンドによって異なる |
投信の移管手数料を全額負担してくれる!
SBI証券には、他社からの投資信託の移管にかかる手数料を全額負担してくれる、「投信お引越しプログラム」があります。
楽天証券から投資信託を移管する際は、投資信託の出庫の3,300円(税込)の手数料がかかりますが、このキャンペーンを利用することで、手数料負担なく投資信託を移管することが可能です。
またSBI証券では2022年3月31日まで、他社からの投信乗り換えでポイントがもらえるキャンペーンも実施しています。
抽選で10名 | 100,000ポイント |
---|---|
抽選で100名 | 5,000ポイント |
その他全員 | 1,000ポイント |
キャンペーンの適用条件
- 期間中に合計10万円以上の投資信託の移管入庫
- 期間中に合計10万円以上の投資信託の買付申し込みと約定
※キャンペーンへのエントリーが必要です
抽選に当たらなかった場合も全員1,000ポイントは必ずもらうことができるため、キャンペーン期間中の乗り換えがおすすめです。