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生命保険でお金借りるには?契約者貸付制度の賢い使い方

生命保険の契約者貸付とは

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長い人生を考えると生命保険に入っていてよかったと思うタイミングはいくつもやってきます。これまで風邪もひいたことがないような人が突然病に倒れて大きな医療費に苦しんでいるというのは珍しいことではありません。

どうしてもお金が必要になったとき、生命保険を解約するという方法は大きなリスクが伴います。生命保険を解約せずにお金を借りる方法があるというのをご紹介します!

著者
森本 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)・CFP認定者・ 貸金業取扱主任者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。

生命保険を解約してお金を用立てる解約払戻金

カードローンを利用するのではなく、融資を考えるのではなく、手持ちのお金で何とかしたいと考えるなら思い浮かぶのは「生命保険の解約」です。

保険を解約すると解約払戻金を受け取れます。

解約払戻金は解約すると戻ってくるお金

すべての保険に解約払戻金があるわけではありません。自分の保険が解約払戻金があるものか確認しましょう。

保険期間が長い保険、貯蓄性のある保険には解約払戻金があります。

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 学資保険など

保険料の負担が軽い定期保険、入院や通院に備えた保険、掛け捨て保険には解約払戻金はないケースがほとんどです。

覚えておきたいのは

  1. 支払った保険料が満額返ってくるわけではないこと
  2. 保険料払い込み期間中なら解約払戻金は少なくなること

保険の解約払戻金を受け取るためには、解約の手続きのほか保険証券などを提出し解約が完了してから「数日~1週間程度」で受け取りができます。

保険の解約はリスクが高い

これまで払ってきた保険料を使ってお金を用立てるのであれば借りるよりも安心と考えるかもしれません。しかし、いつ何時その保険が必要になるのかしれません。明日かもしれませんし、もしかすれば使わないかもしれません。

生命保険会社からお金を借りる?契約者貸付とは

このようにお金を用立てる手段として「保険の解約」は多くの人の選択肢にあります。しかし、生命保険会社にしてみれば解約をする件数が増えるのは好ましいことではありません。

解約をしないまま生命保険会社が貸付を行う制度があります。仕組みは「解約払戻金の一部を借入する」という方法です。

いつから生命保険の契約者貸付が利用できる?

基本的には、解約払い戻し金額の70%~80%が契約者貸付で利用ができる範囲です。いつでも利用ができますが、借り入れ可能な額には違いがあります。

契約者貸付は返さないと失効になる

返済の期限は定められていないものの、返せなくなれば保険が失効となります。保険金が担保となっているためです。

生命保険の契約者貸付制度のメリット

契約者貸付のメリット

①無担保ローンの銀行や消費者金融に比べて金利が低い

生命保険の契約者貸付制度の大きなメリットは、解約したときに自分が受け取ることになるお金を元手にして貸し出しする制度であるため、融資を受けた後にかかってくる利息が安いという点です。

大手保険会社 金利(年率)
日本生命 3.0%~5.75%
第一生命 3.0%~5.75%
明治安田生命 2.15%~5.75%
住友生命 1.55%~5.75%
ソニー生命 2.50%~8.0%

適用される金利は契約時期に大きく左右されますが、銀行や消費者金融のカードローンに比較すると相当に有利であることには変わりません。

銀行カードローン  金利(年率)
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック 年1.8%~年14.6%
三井住友銀行カードローン 4.0%~14.5%
みずほ銀行カードローン 2.0%~14.0%
りそな銀行カードローン 3.5%~12.475%
大手消費者金融 金利(年率)
アコム 3.0%~18.0%
プロミス 4.5%~17.8%
アイフル 3.0%~18.0%
SMBCモビット 3.0%~18.0%

銀行や消費者金融では、申込時には最高金利が適用されることがほとんどです。三菱UFJ銀行なら年14.6%、プロミスなら17.8%です。それに比較すると、生命保険の契約者貸付は上限が10%を割っているので、はるかに低金利と言えます。

②契約者貸付は生命保険を解約する必要がない

契約者貸付は、いずれ受け取ることのできるお金を前もって借りるという制度です。生命保険を解約することなく借りることができるというのは大きなメリットでしょう。

しっかり返済しておけば、満期になったときに受け取れる保険金も減ることがありません。貸付を利用している最中であっても、入院や手術などに受け取れる給付金の金額も変わりません。

保険会社とすると、保険契約は継続させたいものです。できれば解約してほしくないというのが本音です。そのため、「もしお金が足りなくなったら、一時的にお金を貸す」ので解約せずに満期まで契約を残しておきたいのです。

③審査がない

生命保険の解約返戻金は、自分が積み立てて後から保険金を受け取るというシステムです。要するに「自分のお金」です。そこから貸付を受けるので、審査というものが存在しません。

銀行や消費者金融ではカードローンの申し込みでは、年収や職業、年齢などといった個人情報を元に審査して貸し出すかどうかを決定しますが、そういったプロセスなしで借りることができます。審査がないので、当然ですが審査に落ちることもありません。

銀行でも消費者金融でも、無職の人にはお金を貸しませんが、生命保険の契約者貸付は、契約者が無職になっても借入できます。自分が積み立てたお金の一部を事前に借りるだけだからです。

④借金ではないため信用情報に傷がつかない

生命保険の契約者貸付では、もし返済が滞ったり返済できなくなったりしても、信用情報には一切傷が付きません。消費者金融からお金を借りると、1ヶ月ごとに返済日がやって来ます。このときにお金を返せないと個人信用情報機関に「延滞」の情報が記載させて、以後の借入ができなくなります。

契約者貸付では返済をしようとしまいと、まったく信用情報には影響がありません。この制度に返済義務はないからです。返せなければ解約返戻金が少なくなることもありますし、借入額と利息の合計が返戻金を超えると強制解約とはなりますが、それでも個人の信用情報には一切の影響がありません。

低金利で返済の義務がなく、個人の信用情報に何の影響もないという点では、契約者貸付は圧倒的にお得な制度です。

⑤生命保険の契約者貸付は返済がいつでもでき

契約者貸付は厳密な意味での借金ではありません。預けてある自分のお金の一部を、受け取れる期日よりも前に貸付という形でもらってしまうということです。そのため、返済の義務はありませんし、返済日が決まっていません。いつ返済しても大丈夫です。

通常のキャッシングであれば、毎月決まった日に返済日が設けられて、その日までに返済金を用意する必要がありますが、契約者貸付はいつでも返済を受け付けています。もし返済できなくても、返戻金が少なくなるだけですので安心感があります。

支払いを継続している回数が多いほど、借りられるお金も大きくなりますし、強制解約のリスクも減ります。消費者金融や銀行のローンを検討する前に契約者貸付を検討したほうが有利というケースは多くあります。まずは自分の生命保険の契約を良く見てみましょう。

契約者貸付制度のデメリット

契約者貸付のデメリット

①利息が複利計算である長期間には不向き

生命保険の契約者貸付で注意したいのは、この利息の計算が「複利方式」ということです。カードローンは基本的に単利方式ですので、利息の計算の仕方が違います。

複利は、2年目以降の利息では、それまでに発生した利息と元金をプラスした金額に金利を掛けていくという方式です。そのため、返済せずに放置すると利息額がどんどん増えることになります。

例えば、金利5%で15万円を借入して放置すると以下のように膨らんでいきます。

複利方式の計算例
  • 1年目→元金15万円+利息7500円=15万7500円
  • 2年目→元金15万7500円+利息7875円=16万5375円
  • 3年目→元金16万5375円+利息8269円=17万3644円

元金に利息が付いて、さらに利息が積み重なっていくので複利は利息が膨らみやすいというのは覚えておきましょう。借りるだけでなく、返済のことも考えておく必要があります。

返済義務がないことが契約者貸付のメリットですが、それをいいことに何年も放置していると満期で返戻金がなくなってしまうこともあります。

②期限内に返さないと契約が失効する

契約者貸付では、借入したお金、つまり元金に利息が複利方式で積み重なっていきます。この元金プラス利息の合計が解約返戻金を超えたときに、保険会社から返済してほしいという通知が届きます。

この期限までに返済しなければ、保険の契約そのものが失効してしまいます。借入額と利息の合計が返戻金を超えないように注意する必要があります。

失効する可能性があるときには、保険会社から必ず連絡があります。通常はハガキや封書による通知です。未払い金があり、その支払期日が迫っていることなどを通知してきます。

失効するとすべての権利を失う危険がありますが、滞納している利息を一括支払いすることで免れることが可能なケースがあります。

保険契約は非常に複雑で分かりにくいものです。できれば保険会社の窓口に行って訊いておきましょう。

③借金ではない!生命保険金そのものが担保

保険に加入していると楽しみなのは「お祝い金」や、満期になったときの「保険金」です。受け取れるはずのお金ではありますが返済に充当されることもあります。

大手保険会社の契約者貸付の金利

契約者貸付で適用される金利は、保険を契約した日によって設定が変わります。平成6年(1994年)を境に下がる傾向があります。1994年よりも前に契約している生命保険は解約返戻金の高いものも多いですが、借入すると金利は高くなる傾向があります。

日本生命の契約者貸付

金利

契約日 年率
平成6年(1994年)4月1日以前 5.75%
平成6年(1994年)4月1日~平成8年(1996年)4月1日 4.75%
平成8年(1996年)4月2日~平成24年(2012年)4月1日 3.75%
平成24年(2012年)4月2日~平成26年(2014年)4月1日 3.75%
平成26年(2014年)4月2日以降 3.0%

契約者貸付制度のある保険

  • ニッセイみらいのカタチ
  • ニッセイ学資保険
  • ニッセイこどもの保険「げ・ん・き」
  • ニッセイ一時払い終身保険
  • ニッセイ長寿生存保険グランエイジ
  • ニッセイ一時払い養老保険
  • ニッセイ一時払い年金保険

利用方法

  1. コールセンターに連絡する
  2. アプリで申し込む
  3. ATMで申し込む(ニッセイカードがある場合)
  4. インターネットの契約者専用サービスを利用する

返済方法

  • インターネットバンキング
  • ペイジー
  • 振込用紙で振り込む

第一生命の契約者貸付

金利

契約日 年率
平成6年(1994年)4月1日以前 5.75%
平成6年(1994年)4月2日~平成8年(1996年)4月1日 4.75%
平成8年(1996年)4月2日~平成11年(1999年)4月1日 3.75%
平成11年(1999年)4月2日以降 3.0%

契約者貸付制度のある保険

  • 5年ごと配当付き終身保険
  • 5年ごと配当付き子ども学資保険
  • 積立年金「しあわせ物語」
  • 5年ごと配当付き個人年金保険「ながいき物語」
  • 5年ごと配当付き養老保険「養老保険U」

利用方法

  1. 担当者(生涯設計デザイナー)に連絡する
  2. コンタクトセンターに連絡する
  3. 振込専用ダイヤルを使う(第一生命カードまたは第一生命サービスパスポートを持っているとき)
  4. ATMで申し込む(第一生命カードが必要)
  5. インターネットの契約者専用サイトを利用する
  6. 第一生命ほけんショップに行く

返済方法

第一生命コンタクトセンターまたは第一生命ほけんショップに連絡のうえ、返済手続きをしたいと申し出て、銀行振込または振込票を使って返済する。

明治安田生命の契約者貸付

金利

契約日 年率
安田生命契約 平成11年(1999年)42日~平成13年(2001年)41 3.0%
平成13年(2001年)42日~平成16年(2004年)11 2.75%
明治生命契約 平成11年(1999年)4月2日~平成13年(2001年)10月1日 3.0%
平成13年(2001年)10月2日~平成16年(2004年)1月1日 2.50%
明治安田生命(合併後) 平成16年(2004年)12日~平成25年(2013年)41 2.50%
平成25年(2013年)42日以降 2.15%

契約者貸付制度のある保険

  • 総合保障保険(ベストスタイル)終身保険特約プラン
  • 医療保険(メディカルスタイル)終身保険特約プラン
  • こども保険(つみたて学資)
  • 介護保険(介護のささえ)
  • 終身保険パイオニアE
  • 終身保険祝金付シニアプラン
  • 養老保険
  • 養老保険ハッピーバルーン

利用方法

  1. 担当者に連絡する
  2. コミュニケーションセンターに連絡する
  3. 明治安田生命の営業所で申し込む

返済方法

  • 公式サイトの契約者専用ページ「MYほけんページ」から返済する
  • 明治安田生命カードを使ってATMから
  • 返済用の払込用紙をもらって銀行などで支払う

住友生命の契約者貸付

金利

契約日 年率
平成6年(1994年)4月2日~平成8年(1996年)4月1日 4.75%
平成8年(1996年)4月2日~平成11年(1999年)4月1日 3.0%
平成11年(1999年)4月2日~平成13年(2001年)4月1日 3.0%
平成13年(2001年)4月2日~平成25年(2013年)4月1日 2.50%
平成25年(2013年)4月2日以降 2.0%

契約者貸付制度のある保険

  • 新終身保険「ダブルステージ」
  • 学資保険「こどもすくすく保険」
  • 学資保険「たのしみキャンパス」
  • 個人年金保険「たのしみワンダフル」
  • 個人年金保険「新たのしみ年金」
  • 終身保険「バラ色人生」
  • 介護終身保険「バリューケア」
  • 定期保険「記念日宣言」
  • 終身保険「千客万頼」
  • 定期保険「エンブレムGP」
  • 定期保険「グランドパスポート」
  • 定期保険「エンブレム新長期プラン」

利用方法

  1. 専用カードでATMから
  2. 自動取引サービスまたはスミセイコールセンターに連絡する
  3. 契約者専用サイト「スミセイダイレクトサービス」にログインする
  4. 営業所で申し込む

返済方法

  • ATMでカードを使って返済する
  • インターネットバンキングを利用する

ソニー生命の契約者貸付

金利

契約日 年率
平成6年(1994年)10月2日~平成8年(1996年)1月1日 6.25%
平成8年(1996年)1月2日~平成8年(1996年)7月1日 5.0%
平成8年(1996年)7月2日~平成11年(1999年)4月1日 4.0%
平成11年(1999年)4月2日~~平成25年(2013年)4月1日 3.0%
平成25年(2013年)4月2日以降 2.50%

契約者貸付制度のある保険

  • 有期払込終身保険
  • 終身保険(無選択型)
  • 米ドル建終身保険
  • 米ドル建一時払終身保険
  • 変額保険(終身型・有期型)
  • 各種養老保険
  • 各種生前給付保険
  • 各種がん保険
  • 学資保険
  • 変額個人年金保険
  • 5年ごと利差配当付き個人年金保険

利用方法

お客さまwebサービスにログインして契約者貸付の手続きをする

返済方法

  • お客さまwebサービスにログインして銀行振込する
  •  カスタマーセンターに連絡して払込票をもらう
  • カスタマーセンターに連絡して銀行振込してもらう

まとめ

審査が必要ないという大きなメリットがある一方で返せなければ万が一の保険が使えない状況になりかねません。返済の計画をしっかり立てることが重要です。

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